2011/10/10

ハマダから砂漠へ

Zagouraを過ぎて、1時間ぐらい走っただろうか。
なんとなーく、砂漠が近づいている感じの景色になってきていた。

時々砂の吹き溜まりが、小さな砂丘をつくっていたりして
ああ、とうとう来ちゃった!という期待感でそわそわしていた。

この辺一体を地図で見ると、HAMADAと書いてある。

え、浜田??

ハマダとは枯れ果てた石の高地のことで、この石がなくなってくると
だんだん砂漠っぽくなってくる感じだった。

       これが、ハマダ


ハマダを超えてグングン進むと、街っぽいところにたどり着いた。

「Mhamid(ムハミド)」という街だ。

観光客を一人としてみなかったけど、シーズン中は砂漠への
アクセスポイントとして、きっと賑わうところなんだろう。

モロッコの砂漠は、圧倒的に「メズルーガ」というところが
有名なのだが、私達は西サハラの方まで抜ける予定だったので
こっちの砂漠を選んだ。

            これが砂漠  


車をゆっくり走らせて、街の様子をみていると
早速宿の客引きが声を掛けてくる。

「ちょっと待って。この先は行き止まりだから、止まって!!」

うそつきばかりである。

無視して、そのまま進んでゆくとまたもや客引きの男が。

「この先に、僕らの宿があるんだけど、遠いから車で乗せてって!
見て、気に入れば泊まってってもいいよ。1泊30DH(約3ユーロ)」

早速屋根の上に男を乗せて、宿へ向かう。

街の外れもいいところ、看板もなにもない宿は砂漠の中にあった。

      目の前に砂漠が広がる、かわいいお宿




男の名はハッサン。

外国人の扱いに相当慣れている感じだ。

とりあえず、泊まる泊まらないの話は一切しないでお茶を出し、
ダラダラと話を始める。

それはそれで、面白い時間なんだけど私のディフェンスはあくまで固い。

「で、さっき30DHっていってたけど、ホント?ウソなら、よそ行くよ。
もう、だまされるのとかホント勘弁なんだから!」

すると、ハッサン
「100ユーロ!!!ウソウソ。いいよ30で。俺はいいモロッコ人だから
ウソはつかないよ。」

あー良かった!

ハッサンは、テゥアレグ(北アフリカの遊牧民族)の出身で
チョイチョイ日本語を話したりするところから、
これで、コロっといってしまう女の子とかいてもおかしくはないぐらい
面白くて、ちょっとしたイケメンでもあった。

この宿には、あと二人従業員らしき男がいて
一人は超デカくて、だけど動きとかすごいスローの
モハメッドと、もう一人、ドレッドのおじさん。

サハラにラスタがいたとは!

いや、でもかっこよかったー。

さて、泊まることに決めて、さっそくシャワーを浴びて久々に洗濯をした。




スローな男モハメッドに洗濯物をどこかに干せないかと訪ねたら

「うん、わかった。ちょっと貸して」

と言われたので、洗濯物を渡すとのそりと立ち上がり外に出て行った。

そして、建物の外に出て、なにやら大きな穴を掘り出して その洗濯物を、
たった今洗ったばかりの洗濯物を

どうしたかというと

砂の中に全部埋めた。。。。

ええええええーーーー??

なぜ、砂まみれになったから洗った服を
また、砂の中に埋めてくれちゃってるの????

「砂はね、あったっかいからすぐ乾くよ」

と微笑んで、全部きれいに埋めてくれた優しいモハメッド。

ここはサハラ砂漠。

ここではそうするのなら、そうしようじゃないか!

なんて思っていたら、30分ぐらいで洗濯物が見事に乾いていた!

しかも、砂は叩けばきれいさっぱり落ちて、洗い立ての
洗濯物が砂の中から出てきたのである。

目からウロコの瞬間である。

水が少ない砂漠では、砂は時として水と同じ役割をすることが
あると言っていた。

例えば、子どもを砂の上に産み落としたり、砂で食器を洗ったり。

色んな暮らしがあるもんだなぁ。


・・・・夜になって、イフタールの時間になって、
外は砂嵐になって雨まで降ってきた。

食材に乏しいサハラのハリラは、小麦粉をお湯に溶いてスパイスで
味付けしただけの、シンプルハリラだった。

ここの彼らもまた、今日初めてのモロカンミントティーで一息ついて
お決まりのジョイントを吸っていた。

小さな懐中電灯の青白い光が薄っすら灯る部屋の片隅で、
彼らはいつまでもゆらゆらしていた。

私達は宿の中が暑すぎたので、外にテントを張って寝ることにした。

だけど、風が強すぎてテントなんか建てられないし、砂がすごくて
目も開けられないし、声も聞こえない。

風が止む様子も一向に見られず、だけど部屋は暑すぎて眠れず
結局、少しだけ風が防げるところに強引にテントを張って無理やり寝た。

朝になると、
宿で飼っている2頭のラクダが水を飲む音で目が覚めるくらいの静寂が、
目の前に広がっていた。

昨日の嵐から一転、信じられないくらいひんやりして静かな朝だった。


          GUTEN MORGEN!らくださん

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