2010/01/09

Iskenderun KALE 2

メハメット家でのランチ後、風邪が完治していないせいか、
 ものすごく具合が悪くなってしまい、ソファーで横になる。
だけど、そんなことはお構いなしに、友達やら親戚やらが次々と
 この「珍客」を見にやってくる。
熱まで出始めて、はぁはぁ言ってるのにテンションの高い女たちに囲まれ
一緒に踊ろうという人まで現れる。
言葉も通じない上、なんとかジェスチャーで「眠りたい」ということを伝えるが
なかなか分かってもらえず、結局夜になって食事を終えて完全に就寝時間に
なるまで、休むことができなかった。

翌日マーカスはウジェルのトマト栽培を手伝いに出かけ、
 私は強制的に女達と1日を過ごすことになる。
 私もトマトハウスに行きたかったのに・・・
まずお風呂に入りに行こうといわれ、
 ハマンみたいなところにみんなで行くのかと思ったら、
私を洗う係の女が待っていて
 身包みはがされ、洗車するかのごとく乱暴に洗われた。
 そのあと喉をやられるといけないからといって、
らくだ色のタートルネックのロンTを着せられ、
それからみんなが履いているようなダボダボのロングスカート、
その下に履く長ズボンもプレゼントだと言って着替えさせられ、
私が着ていた服は洗濯機に放りこまれた。

私を洗ったおばちゃん、ムネヴェㇽ(同い年)

そしてメインイベント。
 「日本人のお披露目会」が始まったのである。
まず頭にスカーフを巻かれ、なぜか靴まで履き替えさせられて
村中の家を1件1件訪ねる。
親戚から親友から息子の友達からとにかく隅から隅まで訪ね
私を見せに行くのだ。
最初の数件は、いろんな人に会って家の中の様子を見ることができたり、
家ごとに出すお茶やお菓子を楽しむことができたけど、
さすがに1日中それをやると、目が回るほど疲れてしまった。
体調だって、まだ万全ではなかった。
そしてこれがもう1日続いた。
翌日村を歩くと、昨日会った人たちがみんな声を掛けてくれる。
「コトミ~、コトミ~」。
ほんと冗談じゃなくて、私の名前が通りに響きわたる。
小さな子供も意味もなく、私の名前を歌を歌うように叫んでいる。
家に帰ると、イエテルもさすがにつかれてグッタリしているけど、
この村にプライバシーというものは殆どなく、
勝手にまた、私の見物客が家に押しかける。

マーカスはというと、誰からも束縛されることなくウジェルの手伝いを
ひたすら楽しんでいた。
寝る前に私が半分愚痴まぎれに今日の出来事を語ると、
「良かったね~、みんなにかわいがってもらえて」
と喜んでる様子。
・・・・違うんだってば!!

翌朝2階にあるベッドルームからベランダに出ると、早くもコトミコール。
私が起きてくるのを見ているのか誰か分からず、ちょっと怖くなる。
結局前の家に住んでいる女の子が、キッチンにある小さな窓から
私の名前を叫んでいた。

この日はパンを焼く日。
この村のパン焼き釜は2つしかなく、そのうち1個がイエテルの
家の庭にあって、近所の人が続々と庭に集まりパンを焼いていた。
このエリアで食べるパンも、ナンに似たようなもので平たくのばして
釜の内側に貼り付けて焼くというものだった。
月に何度かまとめて焼いて冷凍保存しておき、
食事の毎にこれを自然解凍させて食べるのである。



パン作りは楽しかった。
みんなそれぞれに集中してやらなくちゃいけない仕事があり
少しでも私から目が離れるので、
その隙に部屋に駆け込んで、ブログを書いたりしていた。
まあそれもつかの間、みんなの仕事が終わるとコトミ探しが始まり、
すぐさま見つかってしまいまた囲まれて連れ出されるのだった。


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