2010/01/09
Iskenderun KALE 1
1時間もしないうちに地中海にたどり着いた。
海岸沿いは金持ちの別荘エリアになっていて、
「地中海ビーチで1週間温まろう」の場所探しは困難を極める。
結局ビーチが見つからず、ちょっと見晴らしの良い崖の上に場所を見つけ
そこでしばらく温まってから、寒いドイツへ向けての
帰り支度をしようということになった。
アンタクヤからちょっと離れてきただけなのに、ここはまるで初夏の気候
そのものだった。
シリアとの国境がすぐそこにあり、この時期地中海で一番暖かいのが
このエリアだと後から教えてもらった。
ちょっと離れたところには村らしきものが見えて、そこにあるモスクから
1日5回、お祈りの合図をする歌が流れてくる。
静かで平和すぎる日々だった。
たまーに通りかかる人たちが、ミカンやらパンやらお土産を沢山もって
やってくる。
「何かいるものあるか?」と聞いてくる人までいて、
ここにずっと居たらそのうち家とか建ててくれちゃうんじゃないかというぐらい、
とにかく親切な人が沢山いた。
私といえばアンタクヤの寒さのせいで風邪をひいてしまい、
この地中海の楽園で、ほぼ寝込む羽目になってしまった。
だけど、調子もよくなってきたころ、先日からくすぶっていた英語学習欲に
火が付き、受験生ばりに勉強を始める。
「やらなきゃ、じゃなくて、やりたい!」
動機がちがうと、こんなにもスムーズに学べるのは驚きだった。
3、4日こんな感じで過ごし食料も尽きてきた頃、マーカスがすぐそこの村まで
パンとバターを買いに行くと言って出かけていった。
2時間ぐらいの後、沢山のパンとバターを持ってマーカスが戻ってきた。
きっとあの親切な人達が暮らす村なんだろう。
そこでドイツ語がベラベラのおじさんに出会ったらしく
一緒にお昼ご飯まで食べてきたらしい。
そしてその村にはビーチがあるというので、翌日移動することにする。
次の日、早速その村に行くと、マーカスが昨日あったオバちゃんが
さっそく車に駆け寄ってきて、今度は蜂蜜たっぷりのパンを持ってきてくれた。
「カレ」というその村は地中海に直に面していて、
海沿いのゆったり時間で生きてる人々が、平和に暮らしていた。
道端にいすを持ち出し編み物をしている女たち。
金曜のお祈りの支度をしている男たち。
ここもまた時間がストップしてしてしまったようなところだけど、
なんだか私が欲しいと思う暮らしがすべてここにあるように思えた。
この時は・・・・
マーカスが昨日会ったおじさんはウジェルという人で、
30年もの間、ドイツで暮らしていた。
ドイツで自分の会社を経営するまでになったけど、不況が原因で倒産してしまい
それがきっかけで、国に帰ってのんびり暮らすことに決めたらしく
ここで土地を買い、豪邸を建設している最中だった。
将来的にはこの温暖な気候を利用して、ハウストマトの栽培で生計を立てたいらしく、
建設中の家の裏には巨大なグリーンハウスが5個もあった。
ここに来て6年経つが、
家はまだ完成せずトマトハウスも海風で何度もボロボロになり
家族と離れ暮らすこの状況を悔やみ始め、不眠症になってしまっている
ちょっとかわいそうなおじさんだった。
だけどいつか家族全員でここで暮らすことを夢見て、
毎日せっせと家作りをしているのであった。
お祈りが終わり、ウジェルの友達の家でお昼ごはんをごちそうになる。
ここに住むメハメットとイエテルという60歳近くの夫婦宅で、
この後4日間過ごすことになる。
思い出すだけでしんどいけど、続けて書きます・・・
≪イスケンデルン・カレ村の昼ごはん≫
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