2013/07/24

りんご畑のおじさん

イスファハンの駐車場で車中泊。

道路に面したところだけど、夜中は車通りも少なく静かでぐっすり眠る事ができた。

しかし朝の6時から、この駐車場でサッカーの練習が始まっていて、若者達が大はしゃぎ。

元気だなー

って、ここ駐車場なんですけど、、、でも駐車場で寝泊りする自分たちこそアレかなんて思いつつ
外に出ると、昨日見かけたフランクフルトナンバーのキャンピングカーからおじさんが
すでにコーヒーとタバコで朝の一服 をしていた。

おじさんのところに行って色々話しを聞くと、彼らは最近定年退職したばかりの夫婦で、
500ユーロで買ったボロボロのキャンピングカーを直して、旅に出て来たそう。

ベンツだけど、かなり年季の入った車だ。

その車でイランからトルクメニスタンに抜け、中央アジアを周るらしい。
実はその前日にも他のドイツ人老夫婦にも会っていて、彼らも同じルートで中央アジアを
行くと行っていた。

ヨーロッパから中央アジアに行く旅人にとって、どうやらイランは重要な通過点のようだ。

こんな長旅なのに、本の一冊も持ってこなかったマークスは、彼らが読み終わった本を
何冊かもらって、ものすごく喜んでいた。


さてさて、楽しかったイスファハンを去る日。

けっこう大きな街だったので、また山道や畑が広がる風景に戻りほっとする。




次に向かう街はイランの南にある街、シラーズ。

けっこうな暑さだとは聞いていたので、その前に何日かのんびり山の方で涼んで
ゆっくりしようということになった。

そして、今日の寝床探し。

洗濯物がたまっていたので、川の近くで場所を探す。
川はないんだけど、灌漑用水のキレイな水が流れる水路があったので、適当にそれを
たどって行くと、りんご畑にたどり着いた。

人気のない静かな場所。

キレイな雪解け水で洗濯をし、夕暮れ前のさわやかな風に洗い立ての洗濯物を晒す。
 (あ、洗濯と言っても洗剤は使わない単なる水洗いです)

丘の上から撮影。見えますかな、車と洗濯物。

ああ、極楽気楽。

今日は久々に火でも起こして料理しようと思って、この旅始まって2度目ぐらいの
野外クッキング。

そういえば今回の旅は、焚き火どころか自炊もあまりしてないなー

火を起こしてお湯をわかしお茶の準備をしていると、りんご畑の向こうからバイクの
音が聞こえてきた。

ああ、見つかっちゃたか。。。。

そして案の定、農作業帰りのおじさんが木の隙間から現れた。

「サラ-ム、サラーム」

おじさんは胸に手を当てて、ニコニコと挨拶をしてくる。

「なにやってんの、こんな所で、焚き火?驚きだなー。どこから来たの??」

まぁ、ここでも全開でペルシャ語なんですが、おじさんにもお茶を出し、なんとなく言ってることを
想像しながら色々と話していた。

そして、また案の定と言ったらナンですが、お家に泊まりにおいでと誘ってくれた。

一昨日イスファハンで泊まらせてもらったばっかりだったので、もうちょっと間を
空けたいなーなんて思いつつも、イラン人農家のお宅はどんな暮らしをしているのか、
そんな興味も芽生えたりもした。

でも、やっぱり今日はここで寝るのでご心配なくと言って、丁寧にお断りした。

それならばとおじさん、近くにキレイな山の水があるから汲んで来てあげるといって
私達の空になった水用のタンクをバイクに積んで、ブイーンと去っていった。

日が完全に落ち、焚き火を囲んで食事をしていると、おじさんがまた戻ってきた。

そして、一緒にお茶を飲み、言葉が通じない私達はほぼ無言のまま火を見つめていた。

            


なんともいえない時間が流れ、何かに思い更けていたおじさんが、突然元気になった。

「やっぱ、家へおいでよ。ここでもいいけど、家に行けば家族もいるし、これから御飯の
時間だよ。」

おじさんはどうしても私達を連れて帰りたいらしい。

家に電話して、何言ってるか分からないけど、奥さんの声を聞かせようとする。

うん分かった。もう行きます!

私達は食器を片付け、半乾きの洗濯物を車の中に放り込み、おじさんの後を付いて
家まで向かった。

そして、そのりんご畑から車で30分ぐらい走ったところで、おじさんが住むSemironという
小さな町にたどり着いた。



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