2009/12/15

Azerbaijan Hunter

BAKUを出発し、ひたすら北の方、コーカサス方面にむかう。

コーカサスといえばケフィア。

それぐらいしか知っていることがナイ。

途中のQUBA(クバ)という街につくころには、霧がものすごいことになってきた。

しかも雨まで降ってきたので、今日はチャンスがあれば誰かのうちに

泊めてもらおうと思ったんだけど、そう上手いこともいかず

結局、山を越えれば晴れているということだったので山に向かった。

話の通り、山に行くと満天の星空が広がっていた。

翌日、そのコーカサスマウンテンの合間にある「ヒナリック」という村に向かう。

登り下りの多い山道だったけど、景色が最高だった。

途中に山が崩れて橋が流されてしまった場所があって、そこにカメラクルーと

レポーターが待機していた。

壊れた橋の惨状をレポートしたいらしく、マーカスにもマイクとカメラが向けられた。

だけどその川は橋がなくても渡ろうと思えば渡れるので、そのままの事を

カタコトのロシア語で喋ると、「カットカット!」

渡れるとか言っちゃだめで、あくまで悲惨な現状をレポートしたいらしい。

気を取り直してもう一度。

今度は英語で喋ってくれと言われる。

「橋が流されてますが、これは早急に修復が必要ですよね」と、レポーター。

「いや、僕らの車オフロード車なので普通に渡れますよ、そんなに深くないし・・・
 乗用車だって渡れると思うよ・・・」

カットカット!

どうしても「橋が壊れて人々がその先に行けなくて困ってる」ことを伝えたいらしい。

最終的には、渡れないと言ってくれと頼まれるが

「ありもしない事が言えるか」と言ってさっさと車に乗り込み、

スイスイーっと川を渡った。

その後も何台かの車が一旦は立ち止まるけど、結局普通に渡れてしまっていて

テレビ局は一体何がしたかったんだろう?

この橋のことがどうやってニュースになったかは不明である。

その後村に向かう途中の水場で休んでいると、ハンターだというおじさんに声を

かけられ、この先の国立公園に家があるからおいでと言われたので

遊びに行ってみる。

国立公園内で狩りをすること自体どう考えてもおかしいことだし、さらにそこに

ハンター専用の別荘を建ててしまうあたり、どうもこのおじさんただ者では

なさそうだぞ。

豪華な別荘は、山間の広大な敷地にぽつんと立っていた。

日が落ちる頃、手ぶらのハンターたちが続々と戻ってきて

私達を招いてくれたおじさんもその中にいた。

後から話を聞くと思ったとおり、そのおじさんは何の会社か知らないけど

「ビジネス」をしているという大きな会社のボスで、

ムエタイでムキムキに鍛え上がったボディーガードまでついていた。
 
そして、何から何まで周りの人がボスの世話をしていた。

相当偉いっぽい人なんだろうけど、そんなに偉そうなオーラも出ていなくて

気さくなおじさんという感じ。

夜になってみんなに混じって夕食をいただき、私たちはこの日のゲストだということで、

一番あったかいフカフカベットの部屋で眠らせてもらった。

翌朝5時起きでハンターたちは狩りに出かけ、お昼前に大きな鹿を一頭引っさげて

帰ってきた。

もちろんおじさんが仕留めたらしいけど、事前に誰かが鹿のいる場所を確認し、

おじさんは引き金を引いただけ。ボスの獲物をセッティングするのに周りの人も

大忙し。

そうして連れ帰った獲物を舎弟たちがすぐさま解体し出し、ボスは全面ガラス張りの

ティーサロンで、ゆっくりとお茶を飲んでいた。

金持ちの道楽もいい所だ。

たとえ大金持ちでもこんな所で狩りとはけしからん!と

思いつつも、最後に死んだ鹿と一緒にみんなで記念写真を撮らされた。

別荘を後にして、昨日来るはずだったヒナリック村に向かう。

前日に道を訪ねた人の親戚がこの村に住んでいて、電話番号と名前は聞いておいた

ので、村に着いてさっそくマーカスが電話をかけてみる。

「○○さん(彼の親戚の名前)言った、あなたがここに住んでいる、家を見たい 
いいですか?」

こんな程度のロシア語でも会話が成立してしまい、

彼は今仕事中で夕方には戻るけど、家族が家にいるはずだからおいでと言われ、

さっそく山の中腹にある家に向かった。

小さな村なので、彼の家の場所なんて聞けば誰でも知っていて、その辺の子供を

車に乗せて家まで案内してもらった。

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