2009/12/04

Azerbaijan 1

11月6日

6カ国目!!

カスピ海を渡ってアゼルバイジャンの「BAKU」にやってきた。

18時間で着くはずが、結局その倍近くかかってようやく到着。

船を下りて、入管に着くや否や「ヤクザ!!」と叫ばれる。

うん、そうそうヤクザの国ニッポンから来たのだよと

疲れていたけど、笑ってみせる。

続いて、入国スタンプを押すおじさんにも「おお、ヤクザ、ヤクザ!」と握手を求められ、

続々と部屋に入ってくる人にも「ヤクザ、ハラキリ!ナイス」となぜか褒められる。

もうこの時点で私の髪の毛が軽く縮れてきてるんじゃないかってくらい、ヤクザコールが

半端じゃなかった。

例えばドイツ人を見かけた瞬間に「OH!ビール、ソーセージ、ヒトラー」とかいうのと

同じぐらい、何の脈絡もなくただ言いたいだけの人たちなのである。

ちなみにマーカスはドイツ人だと言うと、「ヒトラーカプート」と言われます。

そんな感じで、ここアゼルバイジャンの人が抱く日本人の印象は

「ヤクザがスシを食いながらフジヤマに登り、頂上でカミカゼと叫びながらハラをキル」

それで間違いないと思う。

そして通関においては、どこまでが正規の料金かわからない、「車両運賃」をはらい

沢山の手続きを経て、ようやく解放され街に出ることができた。

最終的に人間2人と車1台カスピ海を渡るのに、500ドルぐらいかかった。

さてさて、密かに物価が高いとの噂を聞いてやって来た「BAKU」というこの街ですが

それもそのはず、今もときめくオイルブームタウン。

カスピ海やその周辺のいたるところで、オイルの掘削クレーンみたいなのがせっせと

稼働している。

町並みはヨーロッパみたいで殆どの建物がライトアップされていて、

ブランド店が立ち並び、それに伴い食事代も中央アジアの時から比べて3〜5倍。

長期旅行者にはヨーロッパ並みに、キツイところになりそう。

とりあえず、この国に入るのに必要な招待状を手配してくれたミューラーさんという

ドイツ人のおじさんに電話をして、車の修理が出来る所を案内してもらう。

このおじさんは、あのイルクーツにいた時に会ったステファンという青年のお父さんで

アゼルバイジャンの国立公園の管理責任者でもある。

ここで色々つながった事もほんとに色々ラッキーだった。

ちなみにステファンも今、中央アジアの国をクルマで旅行中。

連れて行ってもらったのは、トヨタの修理工場。

壊れてしまった後輪のショックアブサーバーを取替えてもらいに行ったんだけど

1件目ではパーツが品切れで、2件目で運良くGET。

この旅に来て初めての修理工場。

パンクなんかはマーカスがチョチョイと直してしまうけど

さすがに、今回は部品の取替えだったのもあり、なんだか大事になってしまった。

だけど、さすがトヨタの正規修理工場。

古い車の部品だけどちゃんとありました。

同じく後輪のスプリングも直してもらい、さらに点検してもらい洗車までしてもらい

いっぱいありすぎなので省略するけど、ここで働く英語が話せる青年が、

実家は広いし寝る所なんていくらでもあるから、是非泊まりに来てくださいと

初日から有難いお誘いを受けた。

トヨタホスピタリティー。

いや、トヨタっていうかアゼルバイジャンの人、いい人じゃん!!

修理が終わり、100kmほど離れたミューラさんが仕切る国立公園に行く。

街中の渋滞を抜けるのに1時間以上かかってしまった。

ビッグシティーで渋滞にハマるなんて。

東京を思い出した。

到着したころにはすっかり夜になっていて、この公園の関係者用の宿泊施設に

泊まらせてもらう。

翌日、ミューラーさんと合流。

BAKUでちょっと話しただけなので、どんな人だか分からなかったんだけど、

ミューラーさんの車に乗せてもらい、サファリパーク形式で、公園の案内をしてくれた。

個人のガイドを付けているみたいに、充実の説明っぷり。

しかも声も話し方も森本レオにそっくりで、でもこのソックリさ加減を誰とも共有できなくて

歯がゆいったらなかった。

そして彼の目は、子供が何かに夢中になって説明するときに見せるのと

少しも変わらなかった。


ミューラーさんは65万ヘクタールという広大な荒地を、一から整備して国立公園にまで

してしまったというレジェンドである。

荒地を整えるのも、そこに携わるこの国の人を教育するのも 

相当大変な仕事だったらしい。

そして、何千種類もの鳥や動物たちを保護してきたらしい。

特にガゼルの保護に力を入れていて、今でこそ近くで見られるガゼルも

最初のころは人間の姿を見ただけで隠れてしまっていたらしい。

そのガゼルが今は数メートルの距離に近寄っても逃げることなく、

むしろ「ついておいでよ!」と尻尾をふって合図をする。

「奇跡だ!」と、子供のような笑顔で言っていた。

そして、そのガゼルを主人公にしたおとぎ話の絵本を娘に書いているところだそうだ。

この地球にどれだけ自然を残すことが出来て、

そこに自分がどれだけ関わることができるのか。



そういうことをずっと考えて生きてきたんだろうな。

色々話を聞かせてもらったけど、自分の小ささなんかどうでも良くて、

ただただミューラーさんの行動力と器のデカさに圧倒された。


そして私達は翌日、トヨタで会ったあの青年が

BAKUを案内しその後泊めてくれるというので、渋滞の道を3時間かけて逆戻りして

また街へ向かうことになった。


0 件のコメント:

コメントを投稿