この旅に出るまで、私はサマルカンドなんてどこにあるかも世界遺産だということも
知らなかった。
イスラム文化やシルクロードに興味があったわけでもない。
そもそもこの旅のルート自体にもまったく興味がなかった。
中央アジアも「どこそれ?」って感じだったし「歩き方」とか一応買ってみたけど、
それでもそんなに行きたい所も見当たらなかった。
そんな感じでここサマルカンドに来て見て、シンボルともいえる3つのデカイ神学校
はドカンと立派に存在感があるものだったけど、それ以外は感激するものではなかったな。
しかもそれぞれの建物で入場料も払わなきゃいけないくて、その額も
ウズベキスタン人意外、つまり外国人は3~5倍の金額を払うことになる。
そういうのもなんかねぇ。
強いて言うなら、「シャーヒズィンダ廟群」と言う所がよかったかな。
綺麗だった。
他にも見どころ的な建築物はいっぱいあったけど、どれも同じ様に見えてきちゃって
全部見たところで多分記憶に残らないと思ったので、途中からは楽器を売ってるお兄さんの店に行ったりして時間をつぶした。
カーペットを織ってるお姉さんの隣りに座って見学してる時が一番楽しかったな。
このカーペットはシルク糸の手織りで、畳一枚分のものが1000ドルぐらいする。
しかも2人係りで8ヶ月も織り続けてやっと完成するらしい。
1000ドルでも安いと思うけどな。
今はなんかまだ早すぎると思って買わなかったけど、いつかもっともっと大人になったら
ドカンと現金で大人買いをしたい。
イランかどっかに行って、一生物のペルシャ絨毯を探す旅というのもいいなぁ。
翌々日に訪ねたブハラという街も世界遺産で、でっかい建物や綺麗なモスクがある青の都から
打って変わって、土色の街という感じ。
昔のバザールやらキャラバンサライなどの建物が残っていて静かで
雰囲気はいんだけど、どこもかしこもお土産ショップとホテルがあって残念。
これが今も地元の人のバザールがあって、野菜やスパイスとか売られて
ホコリだらけの街だったらどんなに面白いかと思った。
そんなことしたら建物や周りの環境を維持できないのかもしれないけど、
なんか綺麗すぎて重みがない。
結局2時間ぐらいぶらぶらして、この街を後にした。
この旅に出て、それまで興味がなかった中央アジアの魅力にすっかり
取り付かれてしまったので、そんな国の世界遺産なんてもう凄いんじゃないかと
けっこう期待していたのにちょっと残念な気持ちになる。
そして3つ目の世界遺産、「ヒヴァ」へ向かう途中の道は、砂漠にちょっと毛が生えたような
景色がずーっと広がり、どこまでもまっすぐな道が延々と続く。
通ってる道はきれいなアスファルトで舗装されてしまってるけど、それを除けば
「シルクロード」な風景。
黄色い砂が舞う強風の中、その辺でロバに乗っかってるおっさんや、ただ歩いている
仕事帰りのおばちゃん連中でさえ、「悠久のシルクロード」的フィルターが、
ササっと被さると全く絵になってしまうから不思議だ。
その日はその辺の砂漠に泊まることにする。
カラッカラに乾燥した木が沢山あったので、久々に火を起こして自己流プロフを作る。
満点の星空の下、砂漠のキャンプファイヤーはなかなか素晴らしかった。
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