2009/11/23

中央アジア旅のまとめ(1)

アゼルバイジャンに着く前に。。。

中央アジアの旅が終わりました。

それと旅に出て半年が経ちました。あっという間だったなぁ。

これからちょと旅生活のことと、中央アジアの総まとめ的なことをしたいと思います。

今となってはこの生活が普通になってしまったけど、やはり最初は大変だったなぁ。。。

【LIFE】

家を持たない暮らしなんて、ちょっと面白そうそうじゃんなんて思っていたけど、

実際やってみると大変なことだらけ。

もちろん家と同じ状況なんて望めない。

だけどやはり、これがあったらあれがあったらと、無いものについて考える。

これは自分を苦しめるものでしかなく、時間の無駄でもあった。

今あるもので、どうやっていこうかと頭を切り替えられるようになって、

初めてこの生活が楽しいと感じるようになってきた感じがする。

この旅は、

旅の日常というよりは、生活の延長線上に旅があるという感覚。

定住していないというだけで、日々の営みは家にいてする事と、

さほど変わりはない。

勝手は少々違うけど。


朝起きてご飯を食べる。

寒い日は火を起こしてお湯を沸かし、食べ終わったら食器を洗う。

夕食は日が暮れる前に準備始める。

マーカスが薪を集めに出かけ、私は食事の準備にとりかかる。

食器を洗って拭いて寝る。

晴れた日には洗濯をして布団を干す。

移動しながらなので、後回しにできないことが多い。

旅における家事の勝手の違い。

例えば冷蔵庫や洗濯機は便利なものだなんて考えたことがなかった。

日本に住んでいれば、あるのが当たり前だから。

だけど今の生活にはないから、どうやって食品を保存するのか

どうやって洗濯するのか、そんなことを考えなくちゃいけない。

電気が無かった時代の人たちは、どうやって生活していたのかを考える。

電気があっても冷蔵庫や洗濯機は、この辺の村人にとっては今でもまさに

三種の神器。

持っていない人のほうが多い。

そういう人たちの暮らしを見させてもらって、そしてアイディアが生まれる。

例えば洗濯。

コインランドリーなんていうものに、最初から期待していなかったから

最初の頃は、どうやったら「洗濯機」のように素早く効率良く洗えるか。

それが課題だった。

そこからしか発想できないので、でっかいバケツを買いものすごく丁寧に洗剤で

洗って、大量に水を使い、洗濯に1日は軽く費やしていた。

もちろん手洗いなので超重労働。

寒い日なんかは火を起こす事から始めなくちゃならない。

洗濯するのが、苦痛以外の何物でもなくなる。

そこでもっと楽な方法を考える。

そういえば昔の人もそうだけど、この中央アジアの国の人も都市部を除けば

洗濯機を持っている人の方が少ない。

どうしてるかというと答えは簡単。

洗濯する回数が少ないだけだ。

だから服が汚くて当たり前。

そこで初めて思う。

そりゃそうだと。

洗濯機が無いのに、洗濯機があるのと同じぐらいのペースで洗濯して

服も取り替えるという考え自体が、ナンセンスなのである。

これがバックパックの旅なら、持てる荷物の量も限られてるので極力

服を少なくして、洗濯は宿泊先でするとか想像できる。


だけど車の中にへたにスペースがあるもんだから、色々と欲張ってしまい

その結果、持ってきている服や物の多さ、そしてその無駄さに気付く。

結局便利だとか、これはあったほうがいいという物ほど、実は無くても

いい物なんだということが分かった。

あと「いざとなったら使う」という、その「いざ」は滅多に来ないし、そんなの

なくても生きて行ける。

今では洗濯は綺麗な川や湖があったらやるし、なければやらない。

川での洗濯については「ランニングウォッシング」という、ものすごい洗濯方法を

開発した。

それは、バケツの中に服と水を入れて、その中を走るという名前そのもの

なんだけど、これが手洗いよりも良く落ちる。

水が綺麗になるまで、何度も何度も水をとりかえて走り続けるのだ。

「もみ洗い」「擦り洗い」ならぬ、「走り洗い」。

30cm四方ぐらいの小さいスペースでダッシュするのは最初はものすごく

難しかったけど、今となってはお手の物。

運動にもなって一石二鳥。

だけどこれは夏季限定。

今はもう出来ないのでこれからどうしようか考え中。

風呂についても同様。

ロシアにいる時は、バニャがあるのでいつでも好きな時に入れたけど

もうこれは仕方がない。

だってないんだもん!

だからあんまり考えないことにする。

ふつうの暮らしをすれば、風呂なんていつでも入れるんだから。

ちなみに、頭を洗うのに必要な水は5リットルぐらいで充分。

晴れて暖かい日は、すかさずお湯を沸かして頭を洗います。

ヤカンがシャワー代わり。ソーラーシャワーなるものを持っているけど

結局一度も使っていない。

ヤカンで充分。

そんな感じの生活なんだけど、普通の暮らしに戻っても走り洗いをしようとは

思わないし、風呂だってちゃんと入りますよ。

期間限定と分かっているから、こういうことが楽しめるんだと思う。
 
だけど、世の中こういう生活をしている人の方が実は多いのではないかと思う。

いかに自分が恵まれた環境で暮らしているのかがホントに分かった。

洗濯機がない家の主婦の家事は大変だ。

タジキスタンで訪ねた家の奥さんは、家族の洗濯を二日掛かりでしていたっけ。

結論。

洗濯機は偉大なり。

あれ、なんか違う?

2に続 く

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