10月最終日。
明日からカザフスタンに入国できるので、ゆっくりと時間をつぶしながら
距離を進め、国境付近までやって来た。
これまでの道およそ500kmは、砂漠のようなステップの大地で
とにかく何にもなかった。
強いて言えば、これまで牛や羊やヤギを飼ってる人が殆どだったけど
ウズベキスタンの西の方からカザフの国境にかけては、ラクダをよく
目にするようになってきたぐらい。
これは実にこの景色と雰囲気にマッチしていて、霧深い日など
遠くに霞んで見える何かに目を凝らして、例えばそこに牛がいたら
「なんだ、君か。牛くんかぁ。」となるところを、ラクダがいたもんなら
「ああ、ここがシルクロードだったんだぁ」と、自分がシルクロードを
辿って旅をした事を思い出させてくれる。
中央アジアの旅が終わろうとしていた。
カザフスタンの国境超え。
ここからロシアに行く車がごった返していて、手続きと待ち時間で
5時間もかかってしまった。
ここでもまた「おしん、ヤマガタカンスケ」の嵐。
みんなが言うもんだから、調子にのってあのおしんの有名な場面
「がぁちぁぁぁゃん、おしぃぃぃーん」そうあれね、ピン子とおしんの別れのシーン。
あれをちょっとやってみたんだけど、みんなに???な顔をされて
ちょっと恥ずかしかった。
おしんといったらコレだろうが!!
って、これぐらいしか私、知らないんだけどね。
心配していたウズベキスタンの滞在登録については一切触れられることは
なかった。
こんなあやふやな制度は旅人を混乱させるばかりだから、廃止にすればいいのに。
まあ、とにかく無事に二度目のカザフスタンに入国。
ここには、アゼルバイジャンに行くためにカスピ海を渡らなきゃいけないので
やってきた。
長く滞在する予定はない。
この日は雨も降って疲れ果てていて、テントを開いて食事もする力も
なかったので、寝床を探しに街はずれにポツンとある家を突撃訪問。
見ず知らずの外国人、しかも暗くて顔も見えないのにいきなり泊めてください
なんて、きっとビックリするだろうと思ったけど、そりゃそうだ。
しかもカタコトのロシア語だからこんな感じ
「キョウ ネムイ サムイ アシタ シュッパツスル、ネムル バショ
アリマスカ ゴメンナサイ」
おじさんは困った顔をしている。
当たり前である。
だけど結局離れの納屋みたいなところに案内してくれて、そこで
眠ることが出来た。
おじさんは殆ど半切れで、気まずいったらなかった。
こんなことを思いつく夫よ。
前から気付いてたけど、私はこんな図太い神経してる人を見るのは、
生まれて初めてだ。
翌朝出発する時には、目も合わせてくれなかったけど
「またおいで」と言ってくれたそうだ。
それにしても天気が悪い。
目的地アクタウまでの500キロは、穴ぼこだらけのグチャグチャ泥道。
しかも、後輪のショックアブサーバーがこわれているので飛ぶわ揺れるわで
もう最悪。
二日かけてなんとかダートを脱出しようやくカスピ海の沿岸の町アクタウに到着した。
そしてそこでもまた奇跡の再会が!!!
ハガキありがとうございます!!!
返信削除皆頑張ってくれてます!
僕も精一杯頑張ってます!
不景気には負けぬ。だって私ストイックだもの。