この国は天然資源のガスをたくさんもっていて、当然ガスの値段が安く
ガスを燃料にして走っている車がものすごく多い。
車の上にプロパンガスのタンクみたいなのをむき出しに4つぐらい積んで
運転している車をよく見かける。
燃費もいいらしくガソリン車ならガス車へと改造ができるので、
切り替える人も多いらしい。
だからガソリンスタンドはガラガラで、その代わりガススタンドに長蛇の列がいつも
出来ている。
ディーゼルなんて、トラックぐらいにしか使われないほど需要が低いので
手に入れるのも一苦労。
何件も聞いて周ったけど、見事になくて結局トラックの運転手に聞いたら
ディーゼルを持ってる男を知ってるとのことで、さっそく連れてってもらった。
そこはスタンドではなく普通の家で、客がきたら男が誰かに電話をかけて、
何分後かに違う男がディーゼルを運んでくるというシステムだった。
後で聞いたら、どうやら線路を伝って運ばれてくるオイルタンクから盗んで
きているらしく、そんなもんだから店も持たず闇スタンドみたいな事をやって
いるというわけだ。
値段もそこそこ安いけど、元手がタダならいい商売なんだろう。
まあ出所はどうでも良いとして、とにかく久しぶりに予備のタンクも全部
満タンにできて一安心。
これでアラル海に行けることになった。
途中で歩いていたおじさんに道を訪ね、ついでに3km先の家まで乗せていって
あげて、ついでにお家におじゃまする。
またまた晩飯かってくらい沢山の料理が運ばれてきてあったかい部屋で
おなかいっぱいになり、幸せなひと時を過ごした。
その日は朝から雪がちらついていて、テントも凍ったこともあったので
今日ここに泊まれたらどんなにいいだろと密かに願ったが、
おじさんの「泊まっていけば」は、残念ながら出なかった。
おじさんはなかなかしゃべらないシャイな人で、見ず知らずの外国人を泊める
タイプではなかった。
そんな空気が漂っていたので早々においとまする。
それにしても寒かったー。
近くで焚き火ができそうなところを探して、またまた凍える夜を過ごす。
翌朝は快晴。
黄色く色づいた木々の向こうに真っ青な空が広がって
綺麗な秋晴れという感じだった。
天気もすっかり回復してところで、さっそくアラル海に向けて出発。
アラル海。
かつては世界有数の巨大な湖だったけど、そこから運河をひっぱり
農業用水などに使用しすぎているため、今では半分ぐらいの大きさになってしまった。
なんとかしないと、もうすぐ消滅してしまう湖なのである。
その昔沿岸だった町から、今のアラル海の沿岸までは150kmもの距離があるらしい。
そしてその干上がった湖は今では砂漠のようになってしまい、そこに座礁した
船の墓場といわれる所がある。
錆付いた船の残骸がポツポツと並んでいたぐらいで、わざわざ行くまでの
所ではなかったかな。
人気の無い寂しいところだった。
とにかくウズベキスタンはもう後は出るだけになってしまい、何かない限り
滞在する理由がない。
だけどビザの関係で、次の国カザフスタンに入れるまで4日もあり
とにかく時間を持て余していた。
そしてある日偶然にも、タジキスタンのデゥジャンベで一緒に過ごした
車旅夫婦に遭遇する。
遠くから見ると町のようですが、これは墓地です |
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