2009/11/01

Kiva

翌日「ヒヴァ」に到着。

ここは高さ8mの壁の囲まれた「城壁の町」で、その中に今も人々が生活している。

土色で出来た建物の中に、ターコイズブルーのタイルで装飾された塔が一際目立つ。

この城壁の中に宮殿やモスクなどがたくさんあって、町自体が博物館のような所。
外観からして、これは3つ目にしてようやく「アタリ」の場所と思いちょっとワクワクしてきた。

さっそくその町の中で宿をとる。観光地のど真ん中でちょっと高いとのかと思ったら10ドル

しかしなくて、しかもその10ドルも私たちの切実な財布事情を説明して一人8ドルに

してもらう。



町散策に出かける。

マルカンド、ブハラよりも観光客が多い。

中でもフランス人が圧倒的に多く、団体から個人旅行までとにかくフランス人だらけ

だった。

どこのミュージアムやモスクに入っても、団体旅行者のガイドが大声のフランス語で

隅から隅まで解説し、その人たちに土産売りのおばちゃんたちが集るという始末。





夕方の散歩を終え、街外れにご飯を食べに行って帰ってくると、城壁がライトアップされていた。

中に入ると所々が赤や緑や紫の光で、中途半端に照らされている。

イルミネーションとも呼べないショボいネオンが、せっかくの夜の城壁の町を台無しに
している。

日本の住宅地でたまに見かける、一軒家のクリスマスイルミネーション見せ合いっこ

のほうがよっぽど気合はいってると思う。

さすがに一晩中は点いてないだろうと思い、夜中もう一回散歩に出かけようとおもったけど

12時ごろでもまだ光っていたので、諦めてふて寝した。

極めつけは翌日、日曜だったので昨日の倍ぐらい人がわんさかいる。

その中に結婚のお披露目会みたいなので、西洋スタイルの新郎新婦が町を練り歩き、

他にも3組ぐらいが至る所でゾロゾロと行進を続け、そして信じられないことに、

その団体に逆行するように走っているマラソンランナー。

そう、これは昨日見たフランス人の集団。

今日はみんなお揃いのTシャツを着て、この世界遺産の地でわざわざマラソン

大会を開いていたのだ!!

その数ざっと7、80人。

しかも殆どが60歳を超えているじじばばである。

しかもフランス・ウズベキスタンの友好行事とかでもなく、フランス人のみが

笑顔も見せずマジ顔で、一心不乱に走っているのだ。

どうしてここでマラソン大会をしなくちゃいけないのっ!!

どうして、自分たちの住んでいる街の町内会かなんかで、

隣町まで走ってみようぐらいで収められなかったの!

しかも結婚式のパーティーピーポーが、大音量のテクノで騒いでるなかに

このじじばばが迎え入れられて一緒に踊っている。

もうみんなで踊れば怖くないといった感じで、次々と老人が輪に混じり

意味不明のステップでガンガンに踊りまくっているのだ。

これを許可するこの世界遺産の管理者も管理者だし、こんなことしようと考えた

フランス人のどっかのジイさんだか 、バアさんも相当なもんだ。

楽しいのは本人たちだけ。

楽しむのは大いにけっこう。

歳とっても腰が砕けるまで踊ってけっこう。

場所を考えろって話。

町の外とかなら、まだわかる。

だけど先にも書いたように、ここは町全体が博物館のようなところ。

建物から出ても裏路地に入っても、その目に入るもの自体が展示物のようなものなのだ。

「世界遺産で走りましょうよ」「そうそましょうそうしましょう」

そんなこと言いながら来ちゃったんでしょう。

聞こえはいいかもしれない。

でも他にも人が居る事を忘れてる。

わざわざここを目的にやってきてる人もいるし、ここに来るのが夢だった人だって
いるのだ。

静かに町を見学したい人だっている。

もちろんこういうのを、一緒になって楽しんじゃう人だっているかもしれない。

だけど私は、出来ればこんな日に来たくなかった。

汗だくのマラソンランナーを見に来たんじゃないんだから。

まったくもって、観光客の恥さらしである。

当然周りの見物者は冷ややかな目で見ているし、

地元の人たちの呆れ顔ったらなかった。

きっと来年もどっか他の世界遺産で走るんだろうね。

誰でもいいから、止めてくれーーーー!





唯一楽しかったのは、シルクカーペットのワークショップ。

サマルカンドの時もそうだったけど、なんだか私絨毯が好きみたい。

と言うわけでウズベキスタンの世界遺産、3箇所。
 

別にわたし、観光地をけなしたり、短所のみを誇張してこき下ろすような、

そんなイジワルな、めんどくさい事はしません。

あくまで見たものと、その個人的な感想です。

もっと予備知識があって、中央アジアやイスラムの歴史や、建築物とか美術に

興味がある人にとっては、どれを見ても鼻息フンフンで絶叫することでしょう。

そうでなくても、綺麗な建物や古いモスクなど見て周って悠久の都に思いを馳せる、

そんなゆっくりとした旅をしたい人にはいい所だと思います。

実際日本人の女子がけっこういたし、母と子で旅行してる人もちらほら見かけました。

でもほら、私たち旅の趣旨がちがうもんでね。。。

サバイバルハネムーンに、世界遺産はちょっと上品すぎたのかな。

私らが場違いだったってことか・・・!!




                   <ヒヴァ まとわりつきすぎの猫>

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