2013/10/18

カスピ海を去る日

A一家と過ごしたカスピ海での休日、最終日。

今日でお別れになるのだが、出発する時間までみんな思い思いにダラダラ過ごしていた。

お父さんはテレビを見て、お母さんはお昼ごはんと帰りの支度。

私がテラスで本を読んでいた時、マーを含めた男衆4人がちょっと出かけてくると言って
車で出て行った。

ギャルの彼女は留守番で、イランでは禁止されている欧米の音楽をガンガン鳴らして洗車
していた。

その音楽がイーグルスの「ホテルカリフォルニア」で、これまた彼女のキャラと随分の
ギャップがあり、思わず吹き出しそうになった。

しかも何回もリピートしていたし。。。

お昼ごはんの時間をとうに過ぎた頃に、マークスたちが帰ってきた。

「何してたのー??」

何気に聞いてみたけど、マークスはニヤニヤしながら後で教えるからーと言って
空腹のお腹にイラン風焼きスパゲティーのようなものをかき込んでいた。

後で話をきくと、男達は海にナンパしに行ってたらしい。
イラン風のナンパ。
それをマークスに見せたかったらしいのだ。

まずビーチ沿いの繁華街に車で乗りつけ、ゆっくり流しつつ女の子を見つけ出す。

ナンパ待ちの女の子もけっこういるらしいけど、簡単にはつかまらない。

ここからがイラン流。

まず、大っぴらに声をかけて、一緒に連れ歩くのが禁じられているので、目当ての子が居たら
こっそりと自分の携帯番号が書いてある紙を渡す。

その数分後、女の子が気に入れば電話がかかってきて、待ち合わせの場所を指定して
あとで落ち合う。

そうしてGETした女の子とマシヤールはビーチで落ち合い、腕を組んで仲良く浜辺を
散歩していたそうな。。。

その頃そんな事とはつゆ知らず、ルンルンで洗車している彼女ともそんな風にして
出会ったらしい。

マシヤール、他にも絶対彼女がいると見た。

さて、とうとうお別れの時間がやってきてしまった。

出会ったばかりの旅人を、家族や友人の輪の中に入れてくれて、みんなで過ごした4日間。

自宅もそうだけど、別荘もそれはそれは快適で、こういうのを味わってしまうと
とっても腰が重くなる。

テヘランに戻ってもうちょっとゆっくりしてゆけばとも言われたけど、他にもまだ行きたい
ところがあったし、ビザの期限を考えると先に行くしかなかった。

最後ギャルの彼女にアイラブユーと言われ抱きしめられ、みんなで写真をとってお別れをする。



さよなら、ベシー。どうかお元気で。


 さて、再びさすらいの旅人になった私達。

カスピ海のビーチで車中泊して、魚とか毎日食べてのんびり行こうかなんてステキな
計画があったんだけど、海沿いを走っていて愕然とする。

とにかく、海岸沿いには別荘やらホテルやらがびーーーーっしりと軒を連ね、手付かずの
砂浜なんてあったもんじゃない。

海沿いなので、屋台で魚とか焼いてるのを想像していたけど、魚を出すレストランを探すのも
一苦労。

港の市場みたいなところでも聞いてみたけど、魚は街に行けば食べれると言われて
港街なのに、吊り下げられた羊肉が至る所で見られる始末。

ビーチ泊もできない、魚も食べられない。
カスピ海に居る意味ないじゃーん。 
(ちなみにカスピ海はキャビアで有名なところですが、私キャビアは嫌いです。)

ということで、もう山の方に入って行こうという事で、予定を変更し海沿いの道を逸れたころ
一瞬魚らしき絵が描いてある食堂が見えた。

魚の割には体の長い、サメっぽい魚。

通り過ぎたんだけど、また戻ってもう一度絵を見ると、明らかにサメだった。

まー、キャビアが有名なとこだし、ついでにサメも食べたりするのかしらと思いつつ
食堂に入り、魚はあるかと聞いてみると、肉とかと一緒にショウケースの中にちゃんとあった。

なんの魚か分からないし、値段も分からないし、メニューは全部ペルシャ語で、英語も一切
通じないから、魚がどんな風になって出てくるかも分からなかったんだけど、お店の人を
信じて注文してみた。

始めにお通しみたいな感じで、エシャロット入りのカスピ海ヨーグルトと、生のソラマメが
さやごと出てきた。

そう、こっちの人って生の豆をよく食べるんです。

豆だけでなく、青梅とかもそのままカリカリ小動物のようにかじってます。

あんまり体に良くない気がするけど、所変われば、、、、です。

さて、しばらくすると、ドーンと運ばれてきたのがこちら。

30cmぐらいはある巨大な魚の素揚げでした。


これにソラマメ入りの大盛りライスとサラダ飲み物がついて、2人で10ユーロちょっと。

これ、イランではけっこう高い方で、だからあんまり需要がないんだと思うのです。

庶民の間で魚が食べられるようになったのも、そんなに昔の話ではないらしく、海沿いの
街でこの程度だから、まだまだ一般的ではないんでしょうかね??

でも、この魚、美味しかったです。
あまり脂が乗ってないホッケみたいだけど、揚げてあるのでそれで丁度いいといった感じの魚。

でか過ぎで食べられなくて、お持ち帰りしました。


魚も食べた所で、カスピ海とはさようならー。

あの海岸沿いは、ちょっと残念だったな。

だけど私達には山がある。

しかもこれから入る山には、温泉があるとの情報を得ていたので、それはそれで楽しみにして
海を臨む山へと登って行ったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿