ドイツ在住の知人イラン人Aの、テヘランに住む家族と共に、Aの兄マシヤールが所有する
別荘にやってきた我々。
場所はテヘランから山を越えること5時間のところにある、カスピ海沿いのビーチリゾート。
到着したのが深夜で、遅すぎる夕食から始まった宴は朝方まで続いていたらしく
みんな昼過ぎまで寝ていた。
ここに招かれた友人は3名。
1人は車屋で一緒に働く人で、只今英語を猛勉強中の青年A。
もう一人はの彼は実業家で、英語の先生もしていて、しかも「サントゥール」というイランの
伝統楽器の全国チャンピオンになった事があるという、多才な 青年M。
そして、最後の1人はこの青年Mの従姉妹だといって連れてきたS。
しかし、従姉妹というのは嘘で実はマシヤールの彼女。
両親はもちろん彼女とは初対面で、彼女だという事はどうやら隠しておかなきゃいけないらしい。
息子の嫁選びには、母親の目が重要なイラン人にとって、そう簡単に「彼女です」なんて
紹介できるものではないんだろうな。
そして この彼女、その振る舞いも然ることながら、超ド級のギャルで、マシヤールは一体
何者?と思ったんだけど、彼も結構イケイケな感じなので、 そう考えると合わないことも
ないと、妙に納得。
彼も彼で毎日プロテイン飲んで、注射までして筋肉を増強させていて、着る服がはち切れるので
特注で服のサイズ直しをしてもらってるほどのつわものなのだ。
つわものというか、ナンパ好きでマッチョなやんちゃくれという感じ 笑
みんなで遅い昼ごはんを食べていると、誰よりも遅く起きて階段から降りてきたS。
室内はみんな素足かスリッパなのに、コツコツとハイヒールの音を立てて、高級な
カーペットも踏みつけて、外へタバコを吸いにいった。
おお、すごいのが来たぞ!
これが私の第一印象だった。
印象、悪っ。
大都会テヘランに住む彼らの束の間の休日。
普段はどこにいても商談の電話が鳴りっぱなしのマシヤールも、今日ばかりは
携帯の電話を切り、ここまでできるかと言うぐらいダラダラとした時を過ごしていた。
そうしてみんなでダラダラしていると、ダラダラに飽きたサンテゥール奏者の彼が楽器を広げだし、
チューニングを始めた。
初めて見る楽器。
弦を叩くと、オリエンタルな音色を弾き出すとても美しい楽器だ。
けっこうなおちゃらけキャラのMが、キリッとした表情になり奏で出したのがこちら。
感動の音色であります。
今は趣味程度にこの楽器を弾いていると言ってたけど、上手すぎるでしょ。
この情熱的な曲が、ちょっとチャラいビーチリゾートの一角で奏でられてるのには
若干の違和感がありました。
世界観が違いすぎる。
とは言え、そうだ、ここはイランだった。
例えて言うなら、湘南で三味線。
でもでも、演奏自体はホントに素晴らしかった。
このあとも、これまた趣味でやりだしたというインドのシタールのような楽器を奏で出し
パツキンギャルをも唸らせるのでした。
さて、夕暮れ時にビーチに向かった私達。
バギーカートなどで遊んでいる最中、マシヤールと例の彼女が両親の前で急接近。
30分ほどビーチを散歩してくると言って、二人っきりで歩きだした彼ら。
帰ってくるころには、彼女の腕がマシヤールの腕に絡みついていたので、これはきっと
紹介しようと心に決めたんでしょう
それを見ていたお母さんの表情は何ともいえないものがあったけど、いい歳した大人が
親の目を伺い交際の同意を得る作戦を繰り広げるあたり、ちょっと微笑ましくも思いました。
さっきまでよそよそしかった両親と彼女の関係も、彼女がいきなりガバっと心を開いたのが
手に取るようにわかり、一気に急接近と言う感じで見てておもしろかったなー。
さてさて、気分も上々な二人と車に乗って家に帰る途中。
窓を全開にして、ガンガン音楽を鳴らしながら、ついでに踊りながら運転するマシヤール。
狂ったような荒い運転で、スピードもグングン上げる。
この人です、車に乗ると人格が変わり、アホみたいな運転をする典型的なイラン人は。
もー、死ぬかと思った。ジェットコースターの100倍怖い運転。
この人の運転で山道を越えてこなくて良かったわー。。。。
ところで・・・・・
彼は、イランでは禁止されている犬を飼っている。
正確に言うと、街に住む人は犬を飼ってはいけないのに、イケイケの彼はそれでも
犬を飼っている。
そしてテヘランの自宅から連れてきた愛犬。
受け口の小型マルチーズ。名前はベシー。
車に乗せていたんだけど、警察に見つかると大変なことになるので運転中は
ひっそりとシートの下に隠れるように訓練されている。
イランでは、というかイスラムでは、犬は不浄なものとされていて、加えて、犬と家族のように
一緒に暮らすというのも、西洋かぶれな文化で社会的にも悪影響とのことで、イスラム保守層に
支配されている国会が「犬禁止令」の法案を通してしまったらしい。
見つかったら、罰金に犬の没収。
田舎ではまぁ大目に見てもらえるらしいけど、それでも公の場で散歩させるのは
微々たる人数。
この日ベシーは思いっきり砂浜を駆け回り、子供を追い掛け回したり、鳥を追いかけまわしたり
ここぞとばかりに動きまわってました。
イランの犬は、これで幸せなのだろうか?
世界には色々な境遇で生きている人間がいて、犬も同様に色々な犬がいるけど
イランでペットとして飼われている犬は、例えば何処かの国でゴミを漁って生きている
野良犬よりも可哀想な気がした。
犬なのに、散歩したり、駆け回ったり、吠えたり、犬らしいことが大っぴらにできないんだから。
それでも犬を飼いたいというイランの人は、エゴが過ぎるんじゃないかと思う。
どうかベシーがこのまま警察に見つからないで、暮らしてゆけますように。
続
別荘にやってきた我々。
場所はテヘランから山を越えること5時間のところにある、カスピ海沿いのビーチリゾート。
到着したのが深夜で、遅すぎる夕食から始まった宴は朝方まで続いていたらしく
みんな昼過ぎまで寝ていた。
ここに招かれた友人は3名。
1人は車屋で一緒に働く人で、只今英語を猛勉強中の青年A。
もう一人はの彼は実業家で、英語の先生もしていて、しかも「サントゥール」というイランの
伝統楽器の全国チャンピオンになった事があるという、多才な 青年M。
そして、最後の1人はこの青年Mの従姉妹だといって連れてきたS。
しかし、従姉妹というのは嘘で実はマシヤールの彼女。
両親はもちろん彼女とは初対面で、彼女だという事はどうやら隠しておかなきゃいけないらしい。
息子の嫁選びには、母親の目が重要なイラン人にとって、そう簡単に「彼女です」なんて
紹介できるものではないんだろうな。
そして この彼女、その振る舞いも然ることながら、超ド級のギャルで、マシヤールは一体
何者?と思ったんだけど、彼も結構イケイケな感じなので、 そう考えると合わないことも
ないと、妙に納得。
彼も彼で毎日プロテイン飲んで、注射までして筋肉を増強させていて、着る服がはち切れるので
特注で服のサイズ直しをしてもらってるほどのつわものなのだ。
つわものというか、ナンパ好きでマッチョなやんちゃくれという感じ 笑
みんなで遅い昼ごはんを食べていると、誰よりも遅く起きて階段から降りてきたS。
室内はみんな素足かスリッパなのに、コツコツとハイヒールの音を立てて、高級な
カーペットも踏みつけて、外へタバコを吸いにいった。
おお、すごいのが来たぞ!
これが私の第一印象だった。
印象、悪っ。
ゲームと水タバコに熱中する彼ら |
大都会テヘランに住む彼らの束の間の休日。
普段はどこにいても商談の電話が鳴りっぱなしのマシヤールも、今日ばかりは
携帯の電話を切り、ここまでできるかと言うぐらいダラダラとした時を過ごしていた。
そうしてみんなでダラダラしていると、ダラダラに飽きたサンテゥール奏者の彼が楽器を広げだし、
チューニングを始めた。
初めて見る楽器。
弦を叩くと、オリエンタルな音色を弾き出すとても美しい楽器だ。
けっこうなおちゃらけキャラのMが、キリッとした表情になり奏で出したのがこちら。
感動の音色であります。
今は趣味程度にこの楽器を弾いていると言ってたけど、上手すぎるでしょ。
この情熱的な曲が、ちょっとチャラいビーチリゾートの一角で奏でられてるのには
若干の違和感がありました。
世界観が違いすぎる。
とは言え、そうだ、ここはイランだった。
例えて言うなら、湘南で三味線。
でもでも、演奏自体はホントに素晴らしかった。
このあとも、これまた趣味でやりだしたというインドのシタールのような楽器を奏で出し
パツキンギャルをも唸らせるのでした。
さて、夕暮れ時にビーチに向かった私達。
バギーカートなどで遊んでいる最中、マシヤールと例の彼女が両親の前で急接近。
30分ほどビーチを散歩してくると言って、二人っきりで歩きだした彼ら。
帰ってくるころには、彼女の腕がマシヤールの腕に絡みついていたので、これはきっと
紹介しようと心に決めたんでしょう
それを見ていたお母さんの表情は何ともいえないものがあったけど、いい歳した大人が
親の目を伺い交際の同意を得る作戦を繰り広げるあたり、ちょっと微笑ましくも思いました。
さっきまでよそよそしかった両親と彼女の関係も、彼女がいきなりガバっと心を開いたのが
手に取るようにわかり、一気に急接近と言う感じで見てておもしろかったなー。
さてさて、気分も上々な二人と車に乗って家に帰る途中。
窓を全開にして、ガンガン音楽を鳴らしながら、ついでに踊りながら運転するマシヤール。
狂ったような荒い運転で、スピードもグングン上げる。
この人です、車に乗ると人格が変わり、アホみたいな運転をする典型的なイラン人は。
もー、死ぬかと思った。ジェットコースターの100倍怖い運転。
この人の運転で山道を越えてこなくて良かったわー。。。。
ところで・・・・・
彼は、イランでは禁止されている犬を飼っている。
正確に言うと、街に住む人は犬を飼ってはいけないのに、イケイケの彼はそれでも
犬を飼っている。
そしてテヘランの自宅から連れてきた愛犬。
受け口の小型マルチーズ。名前はベシー。
あんまり可愛くないのだが、愛嬌たっぷりで人気者のベシー |
車に乗せていたんだけど、警察に見つかると大変なことになるので運転中は
ひっそりとシートの下に隠れるように訓練されている。
イランでは、というかイスラムでは、犬は不浄なものとされていて、加えて、犬と家族のように
一緒に暮らすというのも、西洋かぶれな文化で社会的にも悪影響とのことで、イスラム保守層に
支配されている国会が「犬禁止令」の法案を通してしまったらしい。
見つかったら、罰金に犬の没収。
田舎ではまぁ大目に見てもらえるらしいけど、それでも公の場で散歩させるのは
微々たる人数。
この日ベシーは思いっきり砂浜を駆け回り、子供を追い掛け回したり、鳥を追いかけまわしたり
ここぞとばかりに動きまわってました。
イランの犬は、これで幸せなのだろうか?
世界には色々な境遇で生きている人間がいて、犬も同様に色々な犬がいるけど
イランでペットとして飼われている犬は、例えば何処かの国でゴミを漁って生きている
野良犬よりも可哀想な気がした。
犬なのに、散歩したり、駆け回ったり、吠えたり、犬らしいことが大っぴらにできないんだから。
それでも犬を飼いたいというイランの人は、エゴが過ぎるんじゃないかと思う。
どうかベシーがこのまま警察に見つからないで、暮らしてゆけますように。
続
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