2013/10/08

テヘランまでの2日間


昨日の阿片窟ならぬ、阿片テントのなかでは相変わらず若者が喋られなくなるまで
阿片を吸い、そんな彼らの扱いに慣れているほかの人たちは、見てみぬフリをして
マークスをもてなしてくれたそうだ。

そして、地中に鍋丸ごとを炭と共に埋めて煮込みあげた肉料理を頂いたあとは、無事車に
帰ってきて寝たそうだ。

あーよかった、何も起きなくて。

翌朝、テントに行くと男達はもう仕事に出かけていた。

テントの中には昨日はいなかったおじさんが一人いて、羊の毛を紡いでいた。





こういうのは初めて見たなぁ。

ただの毛の塊が、あれよあれよと長い糸になってゆく。

暇な時間があると、男達はこうやって毛を紡ぎ、持って帰ったら奥さんがキリム織に
使うそうだ。

私もやらせてもらったけど、物凄く難しかった。


私達はおじさんと一緒に朝ごはんを食べて、お礼を言ってその場を去った後
一路イランの首都、テヘランへ向かう。

セムナーンからテヘランまでの道は、グルッと遠回りして山道に入り、イラン最高峰
ダマヴァンド山の麓の原っぱで1泊する。

この時すでに5月下旬だったけど、やっと春がやってきたぐらいの季節で、雪解水が流れる谷に
新緑がキラキラ輝くアルプスの山地のようなところだった。


しかし、雲が出すぎで景色は悪かった。。。

ちょうど3日前は、灼熱の砂漠の上で野宿していた私達。

イランてほんとデカくて、自然の宝庫だよなー。

こういうところでも、断然ポイントアップなのです。

なかなか無いと思う、こんなに揃ってる国。

山あり海あり砂漠あり。

あー、テヘラン行きたくないな、、、、、

この1週間はずーっとのんびり自然の中を旅していたから、あの街の雑踏や狂ったドライバーが
いる街には、正直戻りたくなかった。

だけど、ここにはドイツに住んでいるイラン人(マーの友人)の両親が住んでいて、
元々訪ねる予定であったのと、先日シラーズでオーダーした、友人の結婚指輪が届いている
はずだった。

だから、今日1日お邪魔して泊まらせて頂き、早々においとましようという事で山を越えて、
テヘランへ向かう。



 テヘラン、人口1300万人。

東京と同じぐらいと言った所でしょうか。
流石に首都だけあってデカいです。

そして、運転は相変わらず信じられないほど荒く、マークスもテヘラン仕様と言わんばかりに
かなり荒くれ野郎になり、クラクションをバンバン鳴らし、ドイツ語で汚い言葉を連発しながら
運転してました。

前にも書いたけど、唯一つイランの嫌いなところがこの「運転マナー」。

まともに運転したたら、こっちが事故る。

だから、普段は優良運転手でもここはもう、ヤン車仕様でガンガン攻めなくてはいけない。

そうでもしないと、目的地になんか永遠につかないの、ほんとに。

私はイランでは1度も運転しなかったけど、したら多分、3秒で事故る自信がある。




テヘランの環状線とか首都高みたいなのとか、とにかく解りづらく、どうやって行ったかわからない
けど、目的地のお家へ無事到着。

迎えてくれたのは、マー友人のご両親。

たいそうなお金持ちで、テヘランの一等地に3階建てのアパートを所有していて
その1階に住んでいた。

またまた場違いな、汚い旅人。

そんな私達を笑顔で迎えてくれたこの夫婦のご主人は、もうすぐ80歳になるお爺さんで
30年前にスイスに住んでいたこともあり、ドイツ語がまぁまぁ出来る人だった。

30年前なのに、その記憶力。

きっとさぞかし頭が良い人なんだろうなー。

彼の息子はイランで博士号を収めた優秀なエンジニアで、技術をさらに磨くためにドイツで働いている。

1度会ったことあるんだけど、もうカッツカツの真面目な人というイメージ。

なので、ある程度お堅い家庭だということは想像できていたんだけど、まぁーこの滞在が
思いもよらず楽しいものになったのは、その真面目な弟とは180度正反対の兄のお陰。

彼らと過ごした数日のお話は、また明日。





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