2013/08/07

ペルセポリスからシラーズへ



ペルセポリスとは、アケメネス朝ペルシア帝国の都。
建設に着手したのは紀元前520年前。

そんなこと言われても、なんのことだかさっぱり分からないのですが
その残骸が残る遺跡ということにしておきましょう。




この日も酷暑で、こんな暑い日に長袖、長ズボン、スカーフという服装は相当堪える。
ぺらぺらのキャミ1枚でも暑いくらいの日。
こんな広大な世界遺産を前に、見学する気が全くない私。

しかし、惰性で写真をとってみる。








私に遺跡を見る目がないことなど、生まれたときから分かりきっていることだが
それにしても、こうも興味がないものかと。

何千前から残っている壮大な建造物よりも、レリーフになってる人物のヒゲの丸さとかが
気になってしょうがない。

こういう所に連れてくるもんじゃないですね、私を。

でも、はっきりと分かって嬉しいのです。

自分は何が好きで、何が嫌いか。
何に感動して、何に幻滅するか。

頭で考えることじゃなくて、直感。
その場の鳥肌具合とか、涙腺潤み具合。

旅の毎日に身を置くと、そりゃあ色んな感が研ぎ澄まされてくる。

そういうのがたまらなくいい。

だから旅がしたくなると言ってもいいのかもしれない。




さて、猛暑の遺跡を後にし、セミロンのガンバリ一家の親戚が住むシラーズに向かう。

携帯からメッセージを送り、待ち合わせ場所に向かって待つこと30分。
ああ、どんな人が来るんだろう!ドキドキするー。

さっきの世界遺産のしらけモードから、一気にテンションが上がる。

夕方の帰宅ラッシュのカオスな車道の隙間を縫うように現れた2人の女性。

彼女達の手にはそれぞれ大きいリボンとメッセージがついた一輪のバラが握られていて、
白いバラをマークスに、赤いバラは私に渡してくれた。

なんというお出迎え!

優しく微笑むこの女性は、りんご畑で出会ったおじさんの娘ナザニン。
そして、おじさんの奥さんの妹のレイラ。

2人とも、日本人かと思うほど丁寧に挨拶をしたあと、タクシーに乗り込み
私達はそのタクシーを追って彼女達の住むお家へ向かった。

ここでも快く出迎えてくれた、シラーズのガンバリ一家。

家に着くなり、もう申し訳ないぐらいもてなされて、夜ご飯もみんなで美味しく頂き
キレイさっぱりお風呂に入って、久々の民家でくつろがせて頂いた。

レイラは36歳で独身。
歳も私と近いことからすっかり意気投合し、最初の夜からお互いが大好きになってしまった。

彼女はプライベートで英語を習っていたこともあり、簡単な会話なら英語でできるんだけど
ノートパソコンを肌身離さず持ち歩いて、分からないことはグーグルの翻訳機の
助けを借りながら、コミュニケーションを図った。

ナザニンは科学を専攻する大学生で、初見のときは髪をひっ詰めてきりっとした印象
だったんだけど、家に着くなり多分パチ物と思われるドラえもんのTシャツに着替えて登場し
そのギャップに思わず笑みがこぼれた。


暑くて長い1日が終わり、また今日もステキな人に出会えたことに感謝しつつ
眠りに着く。

明け方、今まで聴いたこともない轟音で目をさます。

「ごおおおおおおおおおお」

それと同時に、これまた今まで体験したことのない縦揺れの地震を経験することになる。

揺れの怖さというよりあの轟音、今でも思い返すと気味が悪い。

近所の家から子供が泣き叫ぶ声が聞こえる。

私は地震の国から来た人だからか、こういうのには慣れていてその後すぐに眠りに
落ちたが、近所の人々は家が崩れるのを恐れて庭や道路脇で寝る人が続出だったとか。

 シラーズ1日目。

なかなかトロピカルな夜。

イランの地震ってこんななんだねー。。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿