2016/12/28

ニッポン車中泊の旅_直島


香川の親切な青鬼くん。ははは。

優しいだなんて。





色々ルートを考えたのだが、結局またフェリーで向かった先は「直島」。

ここに来るまで、名前すら知らなかったんだけど、久しぶりに色んな縁が繋がったことがあって
初めて訪問することになった。



高松港から直島までは約1時間。
 

 

そう、直島といえばコレ。

これはアートに疎い私でも知っておりました。
草間彌生の、あれ。

ここにあったのね。

 

直島はアート作品の宝庫で、この草間彌生を始め、安藤忠雄のミュージアムやベネッセの
地中博物館など有名どころも多く、世界各国のアートファンがこの小さな島にひっきりなしに
やってくるらしい。

そして全然知らなかったんだけど、ちょうどこの時瀬戸内芸術祭というのが開催されていて
瀬戸内の各島々を周遊しアートを鑑賞するというイベントらしく、直島もそのうちの一つだった。

なので、いつもよりは人がいたのかな、 外人さんもけっこう沢山見かけた。


そのご縁というのは、遡ること日本で暮らしていた時代。

私は東京のとある町で古着屋を経営していた時期があって、この直島に住んでる友人というのは
その時代の古着屋仲間とでも言いましょうか。

彼らは主に50 `sのアメリカ古着を扱うお店を近くでやっていて、
営業中のお邪魔しては、買い付けの話とか色々したものだった。

私が店を売却し、旅に出てドイツにやって来た、丁度その年だったかな。

彼らは東京のお店をたたみこの直島にやってきて、親戚の持ち家だった古民家で50´s
スタイルのダイナーを始めたらしい。
 


ドイツに来てからは、一度も連絡したことがなかったんだけど、共通の友達を介して連絡が
ついたというわけで、久々の嬉しい再会。





日中は一緒に散歩に出かけたり、海辺でノンビリ過ごしたり。

 

 

 

岩の間からはかすかに瀬戸大橋が見える


瀬戸大橋を臨む海岸から

 夜は、お店のすぐ隣の銭湯「アイラブ湯」。
じゃりおじさんでお馴染みの大竹伸朗プロデュースのアート銭湯。


 



相変わらずすばらしいトークと、絶妙な下ネタは最高に面白く、なんか今までの足りてなかった
何ががすっかり埋まった感じだった。

もーー、お腹がよじれるほど笑いに笑い、美味しいごはんも沢山食べさせていただき。


炭火焼きのリブアイステーキ。んまーーーー!!!
           
楽しい夜が更けてゆきました。


翌日はせっかくなので、直島アート巡りで欠かせない「家プロジェクト」というのを見て回った。

これは古民家を利用して、数々の建築家や芸術家が「作品」を展示する空間。
ある所は「光」だったり、またある所は「暗闇」だったり。

芸祭期間なので人が多く、おまけに雨で、昼時で坊が愚図ったりと、なかなかゆっくりは
できなかったけど、焼け板張りの外壁が連なる裏小路をグルグル迷いながらの散歩は
なかなか面白いものだった。







この家プロジェクトで一つ面白かったのが、「南寺」というところ。

真っ暗闇で本当に何にも見えない空間に、10人ぐらいが壁伝いにぞろぞろと入って行き
椅子に座り、暗闇を見つめること数分後、目が慣れてきて「一筋の光」が見えてくるというところ
だった。

入ってきた時は、なにも見えない。

私は坊を背中に背負った状態で中に入って行ったけど、ほんの数秒で泣きだしてしまったので
退場することに。

他にも怖くなって出て来てしまった女性が一人いた。

 とにかく、そのくらいの真っ暗闇。

なんだけど、暗闇で目が利く マークスは、なんと入って間もなくその光がが見えてきてしまった
らしい。

彼は「色弱」で、色が認識できないことがよくあるんだけど、
暗闇では猫かというぐらいとにかく目が利く。

通常は10分ぐらいかけてぼんやり見えてくるらしいけど、彼は退場時間になるまで時間を
持て余してしまったというから驚き。

そんな出来事が印象的だった。




束の間の滞在。

お別れの時。

奥さんが、お弁当を持たせてくれた。





 およそ7年ぶりの再会だったけど、東京のころからのマイペースっぷりは、この直島でも
健在で、こんな小さい島で暮らしていても大事な軸の部分は少しもブレずに、でもけっこう
適当に暮らしている姿を見て、なんだか私も頑張ろうと思った。

とにかく、好きなことしかしない。

気持ちの良い程偏ってるところは、そこそこマネなんかできない生き方だ。

ここに移り住んだのも、子供たちと沢山の時間を過ごしたいという願いもあったそうで。

とてもとても何かが触発されて、すごくポジティブな気持ちでドイツに帰ってきたことが
昨日の出来事のように今甦ってきた。


楽しかった、そして本当に嬉しかった。

きっとまたいつか、遊びに行こう。

その日まで、さようならなのだ、直島。





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