灼熱のハンガリー。
ハンガリーといえば壮大な都、ブダペストがある国なんだけど、そんな場所とは全く無縁の
むしろハンガリー人からも忘れ去られているんじゃないかというぐらい、なーんにもない
寂れた地域を国境に向けて走り抜ける。
途中暑すぎて、湖の近くのキャンピングで1泊することにして、さっそく湖水浴にむかう。
しかし、海に面していないここハンガリーでは、湖でさえ貴重な娯楽施設でもあるので
柵で囲われ、入場料がとられる始末。
キャンピングでは超チャレンジャーなボッタクリ爺さんにぼられそうになったけど、危うくマーが
ねじ伏せ、正規の値段だけを払って目指す先はいよいよルーマニア!
国境につくと、なぜかゲート付近で長蛇の列。
ここはEU加盟国のはずなのに、なぜに国境審査などあるのか。
ハンガリーに入ったぐらいから、ポーランドでは良く見たユーロナンバーのキャンピングカーが
激減していた。
ルーマニアまで来るキャンパーは余程の物好きと見られるのだろうか。
案の定怪しまれ、車を別の場所に移動させられて、審査が始まる。
ルーマニアといえば、やはりチャウシェスクの独裁時代と、あの世界にも悪名高い
セクリタテア(秘密警察)の恐ろしい印象が未だに抜け切れず、どうしてもそういうフィルターを
通してここの国境警察隊のことを見てしまう。
「怖いんだろうなー」
荷物を全部おろせと言われたらどうしようかと思ったけど、車のドアを開けて、まず警察管の
目に入ったのは、おむつ1丁で爆睡しているくり坊の姿。
それを見て、「ああ、もう行っていいよ。」と、すぐさま開放してくれた。
子連れパワーーー!!
そうして無事にルーマニア入り。
国境から50キロぐらいの、最初に通りかかった街で腹ごしらえ。
ここまで来ると、町にはジプシー系の人達であふれ、服装もまさしくボヘミアンスタイルな
女性をちょこちょこ見かけた。
本当にこういう人達がいるんだと、感動したものだ。
ジプシージプシー書いてるけど、ジプシーって近年では差別用語にあたるらしく、本当は
シンティ・ロマとか言わなきゃいけないのかな??
ま、でも私は響きが好きなので差別の意味は含まず、ここではジプシーと呼ぶことにします。
ヨーロッパにいると、多くの人がジプシーに対してあまりいい印象を抱いてないというのが
日常の至るところで感じられる。
それは彼らが流浪の民であり、どこの国にも馴染めず差別され、その結果犯罪に走る人が
多いからだったりする。
そういう側面はあるものの、やはり彼らの独自の文化、とりわけ音楽や踊りに関する才能は
本当に素晴らしいと思うし、だからいつかルーマニアを旅してみたいと思っていた。
ジプシーに限らず、ルーマニア独自の文化がまだまだ生活の一部に溶け込んでいるような
昔ながらの暮らしを、今ならまだ垣間見れるのではないか、と言う期待もあった。
さて、私たちはどうにもこうにも耐えがたい暑さの中、町を去り山方面に向かってひた走る。
そして山道を適当に逸れてみて、寝床探し。
遠くに教会を臨む、景色の良い静かな原っぱにて就寝。
長年あこがれていた、サプンツァの墓地まで、あと100キロというところまで来ていた。
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