向かった先はグルジア南西部の山奥に佇む、ヴァルジア古代遺跡。
ティビリシから山道ロングドライビングの途中で見つけた湖で一泊して
翌朝出発。
いくつもの峠を越えて、やっと遠くの方にそれらしきものが見えてきた 。
遠くから見てもけっこうな迫力で。
はやる気持ちをおさえ、まずは腹ペコ3人組、
入場する前に腹ごしらえ。
団体の観光客が大勢来るような食堂でも、大味ではないのがグルジアのいい所。
手作り、素朴、安定のスープ3品と、息子はお約束のヒンカリ。
暑かったので私はビールを飲んだんだっけな。
どれもウマすぎた。
特に写真下の方の白いスープ。
ヨーグルトをベースにした温かいスープなんだけど、カスピ海沿岸の国や
トルコなんかでもお馴染みの定番料理。
ヨーグルト味??なんて初めて聞いた時は想像もできなかったけど
日本人の口にとても合うとおもうんだけどな。
グルジアは「マツォニ」とよばれるカスピ海ヨーグルトがベース。
チキンブロスにヨーグルトを加え、玉ねぎとハーブを煮るだけのシンプルスープ。
家でもたまに作ります。
満腹の私達は、腹ごなしも兼ねて早速入場。
結構な急な斜面を登っていく感じ。
ズームアップするとこんな感じ。
ここは12世紀に作られたに洞窟要塞都市。
当初は近隣国の侵略から身を守るため、岩のもっと奥の方に作られてたけど
13世紀に起こった地震で3分の2が 崩壊してしまい、こんなむき出しの姿に
なってしまったらしい。
最盛期には5万人が暮らしたと言われるところ。
居住区域や集会所のような所、ワインを醸造するところなど、大小様々な部屋が
人間の手によってくり抜かれて作られた。
どのぐらいの年月を経て完成したんだろう。
中でも素晴らしかったのが、洞窟内部の教会にあるフレスコ画。
個人的には、このグルジア旅で見た中で最も印象に残った教会だった。
内部は決して広いとは言えない大きさなんだけど、
まず入った瞬間、この「神聖さ」具合に圧倒される。
私を含めて、写真を撮るのに大忙しの観光客がもれなくセットでついてくる光景に
多少興ざめはしつつも、それでもなんだか、夢のような空間。
マイデジカメ持参の4歳児。 |
美しく年を重ねたフレスコ画、幾度もの侵略にも耐え、よくそここまできれいに
残っていたと思う。
この教会の存在は、近代ではもしかしたらソ連時代にも危ぶまれたのだろうか?
これだけ山奥の遺跡の中にあったから、救われたとの見方もあるな。
いずれにせよ、残ってて本当に良かった。
そして、この黒い服をまとったお二人こそが、建国の父ゲオルギ3世と
その娘タマラ女王。
受胎告知図を背景画にしてしまうぐらいの存在感。
グルジアでは聖人扱い。
このお二人がいかに尊い存在だったのかを物語るフレスコ画だと思う。
遺跡は遺跡でも、人間の生活が垣間見れるような遺跡が私は好きだ。
オーディオガイドなどをつけて観覧すれば、もっともっとリアルになるんだろうけど
なんとなく全貌を知らぬまま、人々がこういう所でどんな暮らしをしていたのか
想像しながら歩き回るのも面白い。
石だから残っているのであろう、小さな無数の穴とか、壁に掘られている
食器棚的なものとか。
ここで何してたんだろう、どんなもの食べて暮らしてたんだろう。。。
想像は無限に広がる。
そんな洞窟の楽しみ方を新たに発見できたことも嬉しかった。
続
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