2019/07/29

2018年グルジア車中泊の旅_⑫カヘティ地方への道


ルスタヴィのルッツおじさんの元を去り、グルジアワイン最大の産地でも
あるカヘティ地方への旅が始まった。



途中立ち寄った、洞窟修道院の跡や、歴史ある石造りの教会。

一応通り道で通っただけなので、残念ながらあまり記憶がない。


ワインを作っていたところ。

そう、雨が不快すぎて、あまり覚えてないんだ。






 ダヴィド・ガレジ複合修道院。

 


この奇岩や洞窟の中に100近くの小部屋が くり抜かれて作られていた。

それもそうなんだけど、ここでの唯一の思い出が、行列を成して登って行った
この岩の上のところで、息子がいきなり、㋒を漏らしてしまったこと。

そんなシチュエーションで漏らすなど、後にも先にもないんだけど
なんで、ここで、出てもうたか。

着替えなど持ってるはずもなく、私のスカーフを腰に巻いて何事もなかった
かのように、その後も観光してましたがね。

何と言う思い出!


。。。。。。。。



グルジアは、というか、どこの国に行ってもこういう旅をしていて不憫な思いを
するのは、寝床探し。

山地や海、川や湖など自然の中での車中泊には全く困らないのだけど
下界に降りると、寝床探しが苦痛でたまらない時がある。

この日は、草原と言いたい所だけど、実は幹線道路の脇っちょ。

あまり人目に付きたくはないのだけど、仕方ないときもある。



この日のお客さん。

通りすがりの野良犬。

親子なのかな、チビ犬は好奇心のみ、恐れもせず我々人間に近づく。

それに比べ、成犬の方の人間を信用していないような距離感が半端ない。









放牧帰りの牛とかね。

牛飼いの兄さんは、牛の食事中はスマホで ゲームしっぱなしだったけど。

時代だな、時代。



ワインの産地でもあるカヘティは、伝統的な製法で今でもワインを製造している
ワイナリーがいくつも存在していて、ワイン街道的な所を通りかかったりもした。

ワインが好きな人にとっては、ワイナリー巡りを含むグルジア旅なんていうのも
人気のコースらしく、このあたりでは観光客を乗せたバスを良く見かけた。

私も行ってみたい気はあったんだけど、なにしろすごい雨で、車の乗り降りするのも
億劫で、結局すべてのワイナリーをスル―。


それでもお土産は買っておこうと、ワインショップに行って試飲をお願いしたが
試飲できる時間が決まっていて、それに合わせて観光客もやってくると言っていた。

個人の客であるも、それまで待たなくては試飲ができないという、不可解なシステム。

飲んで良ければ6本は買おうと思ってたのに。

それでも、観光地のような所だから、そういうシステムでも潤っているん
だろうけど。



そんな感じでちょろちょろ寄り道をしながら辿り付いたのが、カヘティ地方の
小さな町、シグナギ。

ここで私達はある男性と落ち合うことになっていた。

 



 彼との出会いも船の中。

ウクライナでの煩わしい入国管理局で、私達と同じく複雑な手続きに四苦八苦していた
グルジア人。

イギリスに住んでる彼は、1週間かけて車でウクライナ、そして黒海を渡り
祖国グルジアのシグナギに里帰りしている最中だった。

そして、機会があれば是非遊びに来てとのお誘いを受け、訪問することにしたのだ。





機会。

もちろんありました。

私個人、今回の旅の最大級の目的であった、ニコ・ピロスマニの出生地訪問。

ピロスマニの事は、次の記事に書くことにして、とにかくこの彼が誕生した
ミルザアニという村が、シグナギの近くだったのである。

その村にはミュージアムや生家もあり、ファンとしては一度は訪れてみたい
聖地なのである。

そしてこのシグナギにある美術館にも、ピロスマニの原画が多数収められている。

素晴らしき出会いと、絶好のルート。

なんだけど。

シグナギの彼には、数日前から連絡を付けて、お宅訪問をする日程も
決めていたのだが、直前になって、都合が悪いなんて言いだして。

まあ、もともとは見ず知らぬ人だし、ダメならダメで次に行こうという話に
なったところで、電話がかかってきた。

電話の向こうは英語が話せる女性で、よくよく話を聞いてみると、 なんと彼は
その女性と昨日結婚式を挙げたばかりで、ここ数日は彼の実家に十数人の
ゲストが泊まり込みで滞在しているとのことだった。

彼の英語力ではきっと詳しく説明できなかったんだろうけど、彼女を通して
ようやく事の成り行きが理解できたという。

なんだー、早く言ってよ、そんな大事な事。

そんな所に全然知りもしない旅人が混ざったら、気まずいったらないし。

なんて思ってたのは、私達だけで。

結局この新婚夫婦は、私達をそんなおめでたい期間に招待してくれた。
 
家についた頃、肝心の彼はゲストたちと出掛けていて、至れり尽くせりで
迎え入れてくれたのは、彼のご両親だった。


素朴なお昼ご飯が、これまたとても美味しい。


「今日の午後、ドイツ人の旅人がくるから、来たらご飯出してあげといて。」

そんな感じで、彼はご両親に言ったのだろうか。

無茶ぶりにも程がある。

それでも、我らの息子が居たせいで場が和み、気まずい思いはなかったけど、
あちらからしたら「はぁ?」なシチュエーション であったことには間違いない。

ただでさえ、結婚の宴続きで人の出入りが尋常じゃない時に、さらに知らない
外国人である。

言葉だって殆ど通じないし。

ご両親、どんだけ柔軟なのって話。


数時間後、息子と数十人のゲストが帰って来て、一気にお祭りモードになった。

私達はもちろん再会を喜び、彼らも私達を大歓迎してくれた。

新婚夫婦の奥さんはウクライナ人で、彼女もロンドンで暮らしており英語も
ネイティブ並みだった。

式を終え、翌週には二人ともロンドンに戻ると言っていた。

私達は庭に車を停めさせてもらい、2日間お世話になり、
最後にはワインやらぶどうやら、沢山のお土産を持たせてくれて、サヨナラした。

そうして次に向かったのは、長年の夢叶ったりのミルザアニ。

ピロスマニ誕生の村である。



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