2019/07/08

2018年グルジア車中泊の旅_⑪ムツォ

赤線の向こうはチェチェン共和国。

国境の要塞シティー、ムツォ。



シャティリ同様、同じ理由で要塞式の居住地域。

こんなものが修復はされているものの,ほぼ当時のまま山奥にゴロゴロと
残っていること自体に感動する。
 



シャティリもそうだけど、このエリアはコーカサストレッキングの人気スポットで
何日もかけて尾根伝いに山歩きをしている欧米人が沢山いて、しかもドイツ人
多しな印象。

 このムツォもユネスコ入りを目指しているのか何なのか、石造りの要塞を大規模に
修復している最中だった。




修復し終わったらこんな所に、というかまさか、この要塞の内部に
宿泊施設や食堂ができてしまったりするのだろうか。

なんだかそんな事が予定されてるかのような、手の入れ方のように思えた。

こんな絶景を眺めるテラス席とか、今後どうなるのか。

 5年後に来たらすっかり様変わりしているのかなー。

 

 だけど本当に、世界遺産になれるぐらいのポテンシャルは十分にある所だと思う。







途中で遭遇した、まさかの人骨。

ここ一帯は、斜面が多いところなので、もしかしたら墓地と言うものができなくて
こうやって穴に葬っていたのかな。

という予想。

それにしても、おもむろすぎる。

わざわざそんなところに置かんでおくれ、シャレコウベ。

息子はというと、実は人生で2回目のリアル人骨。


死んだらみんな骨だよ。

分かったんだか、分かってないんだか。

恐る恐る、写真をとっていたっけ。






石積みの教会ももちろんあります。


このムツォの要塞から、さらに奥へ10分ぐらい行ったところにも、また要塞集落が
ある谷があって、ここはハイキングに絶好の場所だった。





日中は人っ子一人にも会わなかったけど、こちらもシーズン中なら登山者やらの
ベースキャンプにもなりそうな所で、テント泊や焚火の形跡が沢山見られた。



ここにはちゃんと墓地があった。

半日のトレッキングを終え、この日は川辺で寝る事にした。

ご飯を作っていた時、デリカバンが観光客を乗せてやって来て、
私達からそう遠くない場所でキャンプの準備を始めていた。



夜になり、彼らが焚火をしていたので挨拶がてらに近づくと 、スイスから来た
カップルとグルジア人ガイドの3人だった。

聞くと彼らは、このガイドと一緒に2週間でグルジアを周るツアーに参加しているらしく
観光地など希望するところに、どこでも出向いてくれるらしい。

ティビリシなどでは、1泊2日とかの秘境ツアーのオファーも多く見かけたので
多分そういうのを利用して、こういう所に来る人も多いんだろう。

だけど、テント泊するには装備がペラッペラで、心配だったので毛布とか貸してあげた。

それでも翌朝、寒くて全然寝れなかったと言って、ゲッソリした様子で帰って行った。

私達も山を下りるべく、まずは2日前に立ち寄ったシャティリの要塞前食堂を目指す。

お昼ご飯のヒンカリを頂き、それとは別に少しお金を払ってシャワーと洗濯機を
お借りし、天気も良かったので、敷地内で洗濯物を干させてもらった。

こんな秘境の絶景前で、自分たちの洗濯物をなびかせてしまって、申し訳けないやら
でも、なんだかちょっぴり嬉しいやら。

車旅の不自由さと、自由っぷりを同時に味わう瞬間は、こういう時に突然
やってきます。





 その日も洗濯物が乾かなかったので、もう一泊ここで過ごし

結局、のんびりしすぎて山を下るのにも3日かかり、気付いたらこの山岳地帯に滞在して
1週間が過ぎようとしていた。




明日には下界かなーとか言いつつ





走れど走れど、山がモリモリ脈をなし、着くわけがないと悟る。




 そういえば、このエリアにはあちらこちらにこういう水汲み場があって
 必ずと言っていいほど、誰かの墓石のような物が一緒にある。


まあ、でも、お水はありがたく頂戴いたします。

この墓石の主が、水汲み場の建設者ではないんだなと思ったのは、ある時3人一緒に
刻み込まれている墓石を見かけた時。

そう多分、滑落して亡くなった人々の事故現場付近に、慰霊碑兼水汲み場を
建設したものと思うのです。

そして、相当の水汲み場があるという事は、この山道はそういう所なのです。


羊が虫の様に小さくて



近づくと、立派な羊さん達

最後は下界の30キロ程手前の川辺でキャンプ。

外食が多いグルジア旅だけど、この1週間は焚火クッキングを大いに満喫できる
原始生活の日々だった。




 山岳旅がずーっと続き、ちょっと飽きてイライラしたことも実はあったけど
行って良かったシャティリエリア。

天然のグルジアに触れた感が満載の、秘境トリップだった。



その後私達が目指したのは、首都ティビリシの先にある街、ルスタヴィ。

まずは下界に降りて一目散であのレストランで腹ごしらえをし、
ウクライナからの船中で出会ったルッツおじさんを、いよいよ訪ねる事になった。

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