2013/11/07

イランてこんな国だった(2)


私がこの旅に出る前に気になっていたイラン風紀委員会について。

風紀委員なんて、そんな言い方をしている訳がないけど、国が女性の格好や服装を
いちいちチェックするなんて、「校則」の名の下で生徒を管理するアホらしい日本の
学校教育みたい。

イランも他のイスラム国家やイスラムを重んじる国と同様に、女性は髪の毛を隠し、顔や手、
足先以外の肌は見せてはいけないし、体のラインが表れる服も着てはいけない。

そしてイランにおいてはただの外国人旅行者だってこのルールを守らなければならない。

地方に行けば行くほど保守的で、女性は黒づくめのチャドルをまとい、影のようにゆらゆらと
通りを歩く。




そうでない人でも一応外ではルール通りの格好をするけど、家に入れば私たちと同じように
どんな格好でもいいし、むしろ普段の規制の反動で妙にセクシーに着飾る人もいたりする。

風紀委員については私は出会わなかったけど、実際抜き打ちで検査をされて罰金を払わされたり
する人もいるみたいだ。

たとえば、化粧が濃いとかマニュキュアの色が派手だとか、ジーンズの細さや襟ぐりの
深さまで指摘されてしまう。

男性も例外ではなく、たとえばタンクトップとかはもちろん、Tシャツや短パンも基本的には
禁止されているようだ。

これには、これといった基準がヒジョーに曖昧で、大体はその取締りをしている警察官の
気分次第でつかまって搾り取られる時もあれば、お咎めなしの時もあるらしい。

首都テヘランまで来ると、規則がゆるいと言う訳ではないと思うけど、ギリギリのところで
がんばってる女性が結構いて、それはそれで微笑ましかった。

特にテヘラン滞在時は、大統領選を控えていて、穏便に過ごしたい警察たちのあらゆる物に
対する監視の目が緩いからといって、ものすごいケバケバの格好をしている人が
いたりした。

選挙が終われば、また元通りになるから、今のうちやっとけと言わんばかりに。

そういえばイランは整形ブームだった。

街を歩けば、鼻整形の後で白いテーピングをした若者をよく見かける。

手術はだいたい日本円で15万円ぐらいでできるらしいけど、イランの平均月収が3万円ぐらい。
これがいかに高額なのかわかるし、手術できるのは金持ちの家の子供たちだ。

私がお世話になったお金持ちのイラン人一家の兄弟も、とっくに整形済だった。

「だって、鼻が変だと顔全体がおかしくなってしまうから」と、親の勧めで手術したらしい。


  そして驚きのイランのオイル事情

石油原産国であるイランの燃油はメチャメチャ安い。
他の物価も安いけど、燃油だけはズバ抜けて安いです。

ガソリンでいうとなんとリッターで15円ぐらい。
ディーゼルなんかは10円ぐらいだったかな。

それでも国民は、高いと文句を言っている。
水みたいに湧き出てきてるものに、何で払わなきゃいけないんだと。
実際、水より安いかも。

世界のガソリン価格の相場を見てから、そんな事言えっつーの。

給油所は国営で、値段はイラン国内どこでも均一。
国民は給油カードを持っていて、基本的にはこのカードがないと給油できない。
外国人が自家用車でイラン国内を旅行する際は、700ユーロ分ぐらいのプリペイドカードを
買わなきゃいけない、買わなきゃ入れないという情報もあったけど、無くても大丈夫だった。

私たちはカードがないので、まずスタンドに行って店員の人にカードを借りて給油をしていた。

外国人用のプライスもあって、これは大体店員の言い値だ。
国民価格と多少誤差はあるものの、そんなにぼったくられたりはしないです。

お隣トルコはヨーロッパの中で1番ガソリンが高い国で、6月の時点で1、78ユーロとか。
ドイツの安い日と比べたら50セント程高い。

原油が湧き出る国が隣にありながら、なんでこんなに高いのか??
なぜならトルコは国を挙げて、新しい道路をあちこちに作っているからだそうです。

私たちがトルコに入るときも、周辺のディーゼルが安い国で常に補給して満タンの状態で
入国した。

それでもトルコでは2度ばかり給油したけど、最後の方とかもうメーター振り切れるぐらい
ギリギリのところまで走ってイラン入りした。

そして帰りもイラン、トルコ国境沿いの最後の最後のスタンドで満タンにして、イラン入り。

260リットル満タンにして、5000円弱。

それでトルコを横断しきったという。

石油原産国万歳。。。。だけど、この国の人たちは石油だっていつか枯れてなくなることを
知っているのだろうか?

そして、もしこの国から石油がなくなったらどうやって生き残っていくんだろう、、、、

ちなみに、両国の国境チェックは厳しいです。

燃油は輸出禁止。

タンクに入ってるものはいいけど、キャニスターでの持ち込みも禁止。

中にはトランクに入ってるスペアタイヤの空気を抜いて調べられている人もいました。


よしよし、そんなところでまだまだイランの観察日記はいくらでも続けられそうなんですが
次に進みたいのでこの辺でイラン旅のことは終了~

とにかく今まで行った国の中で、イランは1番良かったです。

先日友達の紹介でうちに遊びに来たイラン人も、私のイラン好き加減を聞いて非常に
喜んでました。

イランという国は聞いただけではあまりいい印象がないので、誤解されがち。

うちの近所にも、中東全域危険地域で戦闘地域で、みんなイスラム過激派だと思ってる人が
山ほどいますから。

 こういう人たちには迷わず言いますね。

イランはドイツよりも、もしくは東京なんかより安全なところだと。

百聞は一見に如かず。

実際行って見て、「あーあ。。。」となった前回のモロッコ旅に比べると、この旅は大大満足の
旅なりました。

満足すぎて、お腹がいっぱいで、気持ち悪くならないうちにイランを出なきゃという感じで
私たちは次なる国、トルコに向かったのでした。



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