2013/11/13

さよならイラン、そしてまた来たよトルコ。

旅はトルコへと続く。。。

トルコへ向かう車でいっぱいのイラン側の国境ゲート。

陸続きに荷物を運ぶ輸送トラックのなんか、1キロぐらいの列を作っていたけど
それよりすごいのが、列を作らず早く行ったもん勝ちの一般車。

車は5センチぐらいの間隔でひしめき合い、一台車がゲートを通る度に一斉にエンジンがかかり
我が我がと進んでゆく。
進むというより、30センチぐらい前に移動する感じ。

私たちもそこに車を突っ込み、3、4時間ぐらい待つことを覚悟していたんだけど
30分ぐらい並んでいたころだろうか、スーツを着た偉い役人みたいな人がやってきて
車を後ろに移動するようにと命ぜられた。

せっかくちょっとだけ進んだのに、抜き打ち再検査か何かか??

後ろにびっちりとくっついている他の車に「道を開けろー!」と言って手荒く私たちの
車を誘導するおじさん。

方向転換をして、来た道をゆっくり戻ると役人の人が
「こちらからどうぞ。グッド ジャーニー」
 と言って、役員専用の出入り口と思われる所から私たちを出してくれた。

出国の手続きはまだ終わってないけど、国境は続いているので、トルコ側に車だけ乗り入れて
体の移動だけで手続きできるという有難さ。

何の特権もない私たちに、こんなにも粋な計らい。

イランは最後の最後まで私たちを喜ばせてくれる国だった。

イランの人たちは自分たちの国の評判が悪いことを常に気にしているので、
せめてこの国に来た旅行者には いい印象を刻んで帰ってもらおうと思っている。

この思いは一般者だけでなく、役人にまで浸透しているんだという事が
この件でわかったような気がする。

そういえば、警察がいる検問所でも一度も止められたことがなかったし。

 トルコの国境を前にして、急激にまたイランが恋しくなった。

イランというか、イラン人。

またいつか、きっと来るよイラン!
それまでどうか、平和でありますように。

そんな熱い思いを胸にトルコ側のゲートに差し掛かると、 ゲートを開けた向こう側から
やってきたのは、ドイツナンバーのワンボックスカー。
やっぱりまたドイツ人だ!

若いカップルで、助手席に座ってる女性は国境を越えた瞬間なのでスカーフを慌しく頭に
被せようとしていた。

私はすれ違いざまに窓を開けて、「GUTE REISE!!(良い旅を!)」
と一言だけ言って、大きく手を振った。

運転席の彼は、親指を立てにっこり笑って去っていった。




さて、トルコ側の国境ゲートは2重になっていて、イラン側とは比べ物にならないくらい
殺伐としている。

なんてったって軍人の数が桁違い。
桁違いというか、イラン側は0に対しトルコ側は1ゲートにつき5人は武装した兵隊が銃を
構えて立っている。

さっき車内検査も終えてなんの問題もなかったのに、最後の最後でまた念入りに車を
検査された。

この辺、トルコの東部はクルド人が多く住む地域で、クルド人の独立国家を望む過激な
武装集団がトルコ人との間で度々闘争を繰り広げてきた地域でもある。

それは今でも続いていて、数年前には外国人旅行者が誘拐される事件も起きている。

そんなエリアであるから、軍隊の見回りが半端じゃない。

国境、検問所、いたるところにいるのは警察じゃなくてイランの軍隊「JANDARMA」

実は私たち数年前のトルコ旅で、このJANDARMAに捕まったことがあって
べつに悪いことはしてないのだけど、関わるとやっかいな人たちだというのは知っていたので
トルコ東部は特に、なるべくひっそりと旅をしようと心掛けていた。


そんな心構えもあったので、今日の寝床探しは事のほか慎重だ。


昼間の間は、遊牧民が山間にテントを張ってのどかな光景が見られるけど、夜になると
一層警備の目が厳しくなる。

その辺で車中泊しようものなら、すぐさまJANDARMA様に見つかってしまうし、
逆に夜になったら車のライトで目立ってしまう。

どこかの街に行って宿を探すには遅すぎて、暗い山道を運転する気力は
残っていなかった。

結局限界まで運転し、川の近くでエンジン音が響かないところを見つけたので、
星の明かりを頼りに、ライトを消して寝床を確保。

トルコの国境を目指し出発してから、10時間近く経っていた。
長い長い1日だった。



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