2009/05/12

yoshikin kot

なかなか充実した旅が続いております。
先週はとある町のセメント工場で囚人の集団になぜか出くわして囲まれたり
トラを飼育している人を訪ねたら、地獄の動物園みたいなところで
サイズの合わないゲージに入れられた熊が、発狂寸前で自分の手首を
噛みながら、トラクターのような声で小刻みに泣いていて、ほんとに
ほんとにブルーな気持ちになった。

熊って泣くんだ。。。

でも、その日に見た夢の中でその熊は檻から逃げ出したので、少しは気分が
良くなった。

ウラジオストクから北上すること700キロあまり、ここにハバロフスクという
きれいな町がありまして、傍にはアムール川というでっかい川が流れています。

土曜日にこの町に着いて例のごとく川沿いで寝床みつけて、ビールを飲んでいたら
超ゴッホ似のおじいさんがやってきて、噛みあわない会話を交わしていた。

するとちょっと離れたところに連れのおじいさんが寝っころがっていて
「ハローフレンド、プリーズ」と、寝っころがったままその場に招待され
宴会が始まった。

しばらくすると、川辺の草むらの中から魚釣りに失敗し寒さに震えた少年が二人現れた。

焚き火の前に座るや否や、いきなりタバコを吸い出した。

まだ10歳ぐらいの子供で名前はローマとゴーシャ。
ローマは寝っころがったじいさん(名はアリョーシュカ)の孫で、酒まで飲み始めた。

すでにオッサンの貫禄。




まあ、ホントにワイルドな子供たち。

しばらくするとベロベロに酔っ払ったおじさんが車でやってきて、いきなり
怒鳴られた。多分怒ってるんじゃないんだろうけど、目とか完全に行っちゃってて
顔から10センチぐらいのところでなにか怒鳴ってる。

だけど、アリョーシュカが歓迎してるんだよと言ってくれて一安心。

まぁ、凄いやつがきたぞ。
ずっと叫んでるし、軍歌みたいなのを歌いだしたり言葉というより体の全部を
使って何かを搾り出すように話しかけてくる。
パワーが有り余って仕方なくて、煙がプシューッと出てきそうな勢いで。。。



言ってることが一切わからないのに、何かをずっと言われてて、頭が痛くなってきて
ほんとに参った。

しかも多分10秒ぐらいの間隔とすべての言葉の語尾に「ヨシキン コッ」という言葉を
使い、聞くと意味はあまりないけど強いて言えば彼の口癖で「good」のような感じで
付け加えているのかな。

まあ、存分に叫んだ挙句彼はまたベロベロになりながら車で去って行きました。

その後はアリョーシュカが魚のスープを作ってくれました。
ロシアでは魚のスープを「ウハー」といいます。
アムール川で摂れた魚をアムールビールを飲みながら、アムール川のほとりで
赤い月夜に照らされながら食べる。

少しリスクはありますが、それと引き換えにこういう贅沢な時間が与えられる旅のスタイルは
悪くないです。今のところ・・・

さて、次の朝8時ごろからまたヨシキンおじさんがやってきました。
朝からエンジン全開で、ウォッカを飲み干してきたようです。

さすがに、あさからヨシキン連発はきついので、去るまでテントの中で待って会わずに
済んだんだけど夕方アリョーシュカの家に行ったら、また会ってしまいそのまま拉致られて
家に連れてかれた。

しかしけっこう立派な家で「バンニャ」というロシア式サウナを用意してくれたり
至れり尽くせりで、奥さんの家庭料理まで付いてきて、ベットまで用意してくれた。


   ≪ルースキーバンニャ≫
こんないい奥さんのダンナがこの飲んだ暮れのヨシキンだとおもうと、少々
気の毒と思いきや、家に帰ったヨシキンは着くなり引っぱたかれてて、
ロシアの母ちゃんもまた強し!!あっぱれでした。

濃い週末の締めくくりは、ウルルン滞在期さながらにお礼の一品味噌汁を作って
ヨシキン家を去りました。

最終的には、いいおじさんだった。
ボディーランゲージの世界大会があったら確実に優勝するでしょう。

お別れの言葉もヨシキンコット。
すこし寂しそうに、充血した目を泳がせながら見送ってくれました。


   ≪ヨシキン家のみなさんと≫

1 件のコメント:

  1. 楽しそう?というかワイルドな旅をエンジョイしてるようで何より。結局、高岡からの船に乗れたのかな?

    このペースで行くと今はブラゴベくらいかな。これからシベリア、注意して&楽しんでください。

    返信削除