2019/02/12

2018年グルジア車中泊の旅_ ⑤スヴァネチア地方メスティア


暑さから逃れる為、山方面に向かう途中の街では
携帯のSIMカードを調達したり、あとはしばらく山に篭る感じになりそうだったので
 野菜やら卵やら、山の上では値が張りそうなものを一通り買いそろえた。



PURI屋(グルジアのパン)のおじちゃん。





バトゥミからメスティアまでアクセスできる道路は山道1本で、4時間程で
メスティアに到着する。

    

なのでちょろっと日帰りなんかでも来れる人気観光ルートで、この1本の山道を
観光バスやら、マルトルーシュカ、少人数ツアーの乗用車なんかがものすごく頻繁に
行きかっていた。

私達はこの道の途中の滝があるところで、下界の暑さで茹で上がった体を冷やすため
水遊びして、ついでにそこに一泊した。

     


しかし山の天気はみるみるうちに崩れてゆき

夜は物凄い雷豪雨に見舞われ、近くに雷が落ちた振動で夜中飛び起きたぐらい。

翌日、案の定すごいことになっており、車を泊めた真下が川になっていて
車から降りられなかった。

流されないで良かったよ。

道路も倒木や落石だらけで、ちょっとこの日は怖い思いをしたな。




数時間山道ドライブの後、スヴァネティ地方に到着。





グルジアに来たら絶対来たかったところ、何ならここに来るためにグルジアに
行こうと決めたと言ってもいいくらい、とにかくずーーっと来てみたかった所。

コーカサス山脈の山間に位置するこの地方は、グルジアの中でも最も古い歴史のある
スヴァン人が住んでおり、まずはこの地方の首都と呼ばれるメスティアへ向かう。

標高も1500m程になり、昨日のあのうだる様な暑さとは無縁の世界だった。


 


 


このスヴァネティ地方でまず目に飛び込んでくるのは、集落の間に何本もそびえ立つ
煙突のような塔。

その名も「復讐の塔」

かつてこの地方には「血の掟」というのがあって、家族の中で誰かが危害や屈辱的な
目にあった場合、必ず相手の一族へ復讐しなければならなかったらしい。

この塔はその復讐から身を守るためのもので、 今は平和な雰囲気そのものな
この地方も、その昔は血なまぐさい日常があったのだということを、塔の多さからも
知ることができる。


それにしても復讐を恐れてMY要塞をつくるなんて、なんという発想!

それが村に一塔とかではなく一家に一塔レベルで、当時どんだけ争いごとがあったのか
とか思うと、この塔がある絶景も、なんか違うものに見えてきたりもした。



メスティアは想像以上の観光地だった。

バトゥミ同様、10年ぐらい前から開発がどんどん進み、かつてはアクセスが悪く
なかなか行けなかったここも、今ではすっかり気軽に行ける場所になってしまった。

確かに塔を始め、中世の面影を色濃く残す集落ではあるけど、もう完全に観光地化
されてしまい、それがすこしばかり残念だった。


日本からやってきた中古のデリカバン。グルジアでは大活躍。

メスティアについた初日は雨で、なかなか身動きがとれなかった。

しかし、この日の最後夜に立ち寄ったレストランでグルジア音楽の生バンドが
演奏していて、食事している客の中から、フロアに出てきて踊り出す人が出てきたり
して「これぞグルジア」の場面に遭遇することができ、大満足な1日だった。

中でも一番鳥肌だったのが、アカペラ隊。

さっきまで楽器演奏していたお兄さんたちが、皆横1列に並び出し、いきなり
グルジア伝統のポリフォニー歌唱を始めた。

圧巻のパフォーマンスだった。

ちなみにユネスコの無形文化遺産にも登録されている、グルジアのポリフォニー声楽
とは、こんなものです。





ついでに、こちらは
わたくしの、昨年ユーチューブ再生回数No1と思われるぐらい見まくっていたやつ。

ここでも美しい男性ポリフォニーの世界と、最後2分の歓喜あふれる大合唱が
幸せな空間へ導いてくれます。

グルジアから帰ってきてからは、毎日何度も見てたな。

レストランの感じとか、料理の湯気とか、旅での色々がフラッシュバックする
感じなのです。
 
 


メスティアは観光地なだけあり、レストランや酒場などでのコンサートなんかは
毎日頻繁に行われている様子で、夜とか退屈しなさそう。


この日は観光案内所の目の前の駐車場に車を泊め就寝。

昼間は観光客と、ツアーの客引きでごった返しているような広場だけど
雨の日の夜ともなれば出歩く人々も少なく、絶好の車中泊スポットと
なったのでした。

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