メスティアに滞在している間は、2回ほど山登りに出掛けた。
連日雨なのには変わりなかったんだけど、雨の間に晴れ間が奇跡的にあって
その間を縫って敢行したという感じ。
一日目はメスティアの中心部から車で30分ぐらいのところにある氷河トレイル。
4歳児を連れてとなると、半日ぐらいのコースがちょうどいい。
吊り橋を渡って、山の入り口に。 |
山の入り口には、いきなりカフェらしきものが。Mtsvadiとはグルジアのシャシュリーク。 |
息子が自力で山に登るようになってから、早2年。
彼がいつも楽しみにしているのは、 実は大人でも嫌悪感を抱くような
足元の悪い、岩場の急な上り道。
凸凹していて、手を使って登ってゆくような難所を恐れもせずにヒョコヒョコと
登ってゆく。
体が軽いが故に成せる業。
逆に平坦な森の道とか、単調な山道とかはすぐに飽きてしまうみたいで
なかなか集中力が続かず、途中ですぐにへこたれる。
この日のトレイルは、 彼にとってのエキサイティング度は60%ぐらいと
いったところでしょうか。
こういう岩場は坊の大好物 |
一応ここがこの氷河ハイキングコースのゴールで、今まさに溶けている最中の
氷河を目の前で見ることができる。
この氷河の末端に人がわんさか集まって見学をしているんだけど、現在進行形で
溶けて居るため、たまにドカーンと大きな氷河の塊が落ちてくることもあり
去年はそれに巻き込まれて、亡くなった人もいたらしい。
私達はあまり近くに寄らず、岩場の陰で風を凌ぎながらお昼ご飯の鍋焼きうどんを
作って食べた。
この日は結局下山で雨に降られたけど、往復6時間ぐらいの行程で、足慣らしの意味でも
丁度良い感じのハイキングだった。
再び雨のメスティアへ。
雨宿りついでに長居してしまったカフェ。
10ユーロぐらい出せば親子3人でお腹がいっぱいになるこのグルジアで
1杯3ユーロぐらいするカプチーノを出す強気なお店。
観光地だからできるんだろな。
でも、ここで飲んだカプチーノが、衝撃的においしかった。
グルジアで何が美味しかったかと聞かれたら、そりゃあグルジアご飯全般
もれなく美味しかったと答えるけど、ここのカプチーノも上位に入る。
たとえばベルリンや東京とかの、サードウェーブ系とか言ってる
小洒落たカフェのコーヒーになんぞには、1円たりとも払う気はないけど、
ここのカプチーノには1000円払える、と思った。
下山後、大雨から逃れた雨宿り、ちゃぶ台にフカフカ座布団(←ローテーブルに
ビーズクッションとも言う)そしてフリーWI-FI、部屋の角。
非日常感、なんだけど、家にいるような安心感。
この付加価値的バックグラウンドに、800円ぐらいかかってる感じだけど、
これら全部の要素が、カプチーノに注がれた感じ、で1000円なり。
払える!
そういえばここでは、観光ガイドをしているグルジア人のお兄さんに会って
近場の良い登山ルートを教えてもらい、雨上がり早速山の麓へと移動開始。
着いた頃には夜で、周りが良く見えなかったんだけど、快晴の翌朝を迎え
車外に出たら、あらビックリ!
後ろにそびえ立っていたのは、4710mの高さを誇るMt,Ushba。
見る角度によって色んな表情を持つ山ですが、馬の鞍(ウシュバ)のように見える山
として有名で、「コーカサスのマッターホルン」なんて言われることもあるそうです。
難易度が高そうな山というのは一目瞭然で、遭難者や死者も多数出る山でも
あります。
私達は絶景を見るにとどまり、今日目指すのはSdugraの滝。
ここもメスティアから30分ぐらい西に行った先にあるMazeriという村を
起点にトレッキングできる ポイントです。
この日もまたもや、登山中は晴れ間が広がり、下山後の夜は大雨だった。
このくらいの子供との登山で大事なことは、とにかく無理をしないこと。
ゴールはあるけど、行けたら行こうぐらいの気構えでいいと思う。
途中でへこたれたら、励まして歩き続けるように促すけど、それでも気力が
続かなかったら、その場でサクッとおやつでも食べて、すぐに引き返す。
そしてそこまで頑張ったことを、めちゃめちゃ褒めてあげる事。
根性忍耐の登山は、私が嫌い。
小学校の山登り遠足みたいなやつ。
ああいうのがトラウマになって、もう山行きたくないと言われるのも悲しいので
うちは「ゆる登山」を細ーく、長くやってゆきたいのですね。
ゆるいと言っても、この日も6時間ぐらいの山歩きだったんだけど、
2日連続、息子もよく頑張りました。
ま結局、ゴールにはたどり着いたし!
この滝の上を目指す人もいるみたいだけど、わたしらはこれで満足。 |
下山後は、山の麓で車中泊。
翌日晴れたら、もう1日ぐらいこの場所でのんびりしたかったけど
あいにくの雨で、移動することになった。
途中メスティアのあのカフェにもう一度寄って、お値段以上のカプチーノを頂き
そして目指すは、ヨーロッパで最も標高が高いところにある村、ウシュグリ。
秘境へ誘う、雨続きの山道。
我ら旅の相棒ランクル君は本領発揮と言わんばかりの、最高級オフロード。
喜んでるのは、我が家の男子のみ。
揺れ具合絶好調、 吐き気MAX。
車から降り何度となく一人で歩き続けた、悪路の数日間だった。
続
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