2019/01/24

2018年グルジア車中泊の旅_④バトゥミからメスティアへ


久々のバトゥミ。



トルコとの国境がすぐ近くにあるこの町。

前回来たときは旧市街を数時間ブラブラして、すぐさま寝床探しに向かった。

訪ねたのは少し離れた山の上にあるミカン農家のお宅。

庭から望む黒海の眺めが良さそうだからという理由だけで家の門をたたき、
運の良いことに泊まらせてもらう事ができたんだった。

しかもご飯までご馳走になって。

今考えても図々しいにも程があると思うけど、意外な来客にも動じない方々が
世の中には沢山いて、いつもそういう方々に旅を一層面白いものにしてもらって
いるのです。



そして今回、あの時は足をのばさなかった港方面の繁華街にでかけると、、、


キラキラの高層ビルやら



 ピッカピカのカジノホテルやら



とにかくどこもかしこも煌びやかに照らされていて、まさしく海辺のカジノリゾート。

ボロボロの旧市街のイメージしかなかったこの町の印象が、一気に変わっちゃった。



バトゥミは近年急激に都市開発されていて、首都トビリシを凌ぐ大都市に
なりつつあり、高層タワーや高層マンション、建設ラッシュの真っ只中。


 分譲マンションの看板広告もそこら中で見かけ、家賃月10万円近くする物件を
平均月給が3万円とも言われてるグルジア人の誰が一体買うのかと思いきや、
先行投資なのか、お金持ちのロシア人とかがバンバン買ってるらしい。

確かに観光客も、旧ソ連国同士のよしみもあってかロシア人が圧倒的に多く、
ギラギラの観光地に、ケバケバしいロシア人女性が異様な華やかさを注いで
いるように感じた。



私達は港の駐車場に車を泊め、さっそく連れのドイツ人のおじさんが行きつけだと
いうレストランへ向かった。



路面席で頂いたビールの1杯目が、いつぞやの東南アジアのどこかの国でのそれと
絶妙にシンクロし、感無量。

到着最初の一杯って、いつ何時でもサイコーな瞬間だわ。



ここのレストランではグルジア料理を思う存分堪能し、もう何杯飲んだかわからない
ビールと、このシチュエーションで絶好調になった私は、息子と旦那を家(車)に帰し
その後もこのドイツ人親子と連れ立って、ビール片手に港の観覧車に乗ったりして
夜中まで遊んだ。

9月初旬。
ドイツでは少し涼しくなってるこの時期、ここバトゥミはまだまだ
夏真っ盛りと言わんばかりの熱帯夜で、港に面した大広場は明け方近くまで
観光客の熱気でムンムンしていた。



翌日。

言うまでもなく絶不調な朝を迎え、不快な一日がモーレツな暑さとともに始まった。

が、しかし。
近くにあるエアコンガンガン効いたマックで朝マックしよう!なんてことは
口が裂けても言えない。(ドイツ人マック嫌い多し。ま、私も好きではないけど朝マックは別枠)

なのでカオスな路地をフラフラ歩きながら、わざわざグルジアスタイルの朝食を求め
あてもなく出かける。

半分白目で「あ、うん、旅っぽいわ」なんて思いながら。


まあ、そのおかげでこんなものにも出くわす。

その名も、「クヴァス」!!!

ロシアや旧ソ連諸国では、夏の間なら必ずどこかで見かけるやつです。



このデカいタンクの中に、そのクヴァスという飲み物が入っていて
売り子のおばちゃんがコップに注いで売ってくれる。

日本人にはまったく馴染みのない味で、私も最初は全然飲むことが
できなかった。

まずその作り方を聞いてたじろいでしまう。

簡単に言うとクヴァスとは、黒パンや大麦や小麦のパンを水に浸して発酵させ、
微炭酸を含むその液体を漉した飲み物とでもいいましょうか。

聞いた感じ、想像もつかない味でしょう。

最初に飲んだ時の印象は、微妙にシュワっとした甘い麦茶にちょっとコーラを
足したような味???という感じ。

なんじゃそりゃ。

とにかく不味かった記憶しか残っておらず、このタンクを見た瞬間も
「出ーーーたーー激マズクヴァス!」と心の中で呟いた。

だけども

タンクを見つけ駆け寄るや否や、さっそくクヴァスを買い求め、飲み干すマーと息子。


私が嫌いなのを知っていながらも、コレは飲んでみなされと二人の押しに負け
恐る恐る飲んでみたら、あらまーーーーーーーーー。

これがまた美味しいの。

冷え冷えだったのが良かったのかもしれないし、

このおばちゃんとこのレシピが良かったのかな??

あの不味かった人生初のクヴァスは一体なんだったのか?

二日酔いから再生途中の怠けた内臓の隅々に、このクヴァスが染みわたった感じ。

その後立て続けに2杯も買ってガブ飲みした。

それからというものクヴァスは夏の麦茶のように、この旅の間私達には欠かせないものと
なった。



クヴァスのおかげで我に戻ったのか、意識がやっと家族へと、そして旅へと向かう。

とにかく連日猛暑との情報は得て居たので、一刻も早く標高が高い方へ高い方へ。

まずはこの旅で一番楽しみにしていたところでもある、メスティアへむけて
出発 。

いよいよ文明とはしばしお別れを告げ、本格的な放浪旅が始まったのでした。




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