2018/11/27

2018年グルジア車中泊の旅_③黒海横断船の旅


1日遅れのフェリーを待機中、私達が乗ると思しき船が海水浴している場所から
見ることが出来た。



しかしその船は港の方角を向きながら、ほぼ1日その場に停泊していた。

暗くなって見えなくなったので、いつ動きだしたのかはわからないけど、私達の
知る限り8時間は止まったままだった。

朝になったらさすがにいなくなってたけど、船の道にはこういうことはつきもので
港はすぐ近くでも、他の船の遅延やらなんやらで、港で停泊できる場所が3日空かない
ということも稀にあるらしい。

そうすると船は 港の外で待機。
乗客は3日待ちってことになるのだろうか。

 

遠くに見えるあの船も、乗客をのせたまま確実に1日は遅れている。

「1日遅れで到着だなんて、乗客もたまんないだろうねー」

なんて、他人事のように 言ってたけど、そういえば以前モロッコを旅した時
1日遅れで到着ということがあったことを思いだした。

2日遅れの船を陸で待ち続けたこともある。

だから、今回の私達の船旅も、ちゃんとグルジアまで運んでくれればいっか
ぐらいの心構えで臨んだ。




ウクライナ出国手続きでは、効率なんて100%度返しの、
これまた良くわからないルールのもと、港に散らばってる役所の窓口を
たらい回しにされた。

最終的な車内検査では、威圧的な役人が隅から隅まで麻薬探知犬のように嗅ぎまくる
始末。

「コカインとかヘロインは持ってない?
ライフル銃とかサバイバルナイフとか、爆弾とか持ってるんじゃないの?」

無表情でこんな質問。

そんなもん持ってないし、持ってても言うバカがどこにいるんだか。



 そして、最終チェックのチェックをする大ボス役人がやってきて、その人の
お許しを得ると同時に、この先の手続きの仕方を、やっと英語で説明してくれた。

一番最後に、これって。。。

入国管理局なんだから、英語ぐらい話せる人を然るべきところに配置しておいて
欲しかった。

あっちからしたら、ロシア語ぐらい話せという感じなんだろうけど、ウクライナ人でも
困るぐらいのハチャメチャシステムらしいので、この際言語の問題でもないか。

こんなんだから、賄賂が潤滑剤になるのも理解できる。

100ドルぐらい渡して、面倒な手続きを滞りなく済ませることが出来るんだったら、
払う人なんて、いくらでもいるんだろうな。

だけどウクライナでも、根絶まではいかないまでも、賄賂はなくなりつつある。

じゃなきゃ、あんなに困った顔のおじさん達で、入管窓口の前は埋めつくされない
だろうから。



17時ごろになり、やっとこさ乗船。

港に集合したのが13時だったから、4時間近く出国手続きで拘束されていたことになる。


出航予定時刻は18時。

結局船が出たのは24時。

予定は未定。こういう所では心得ていたほうがいい。

この日はトラックがフルローディングで、上下階ともビッシリ大型トラックで
埋め尽くされていた。

出発が遅れた理由はここにあった。


19時に提供されるはずだった食事も4時間遅れ、私は空腹のままキャビンのベットで
寝落ちしたんだった。



私達が宿泊したキャビンは、2段ベットとトイレとシャワーが付いている2人部屋で
小さなエアコンも完備されていた。

 


東ドイツ製の古い船とは聞いていたので、期待はしていなかったけど
2泊3日の船旅を、十分快適に過ごすことができた。




乗客は主に大型トラックのドライバーが9割を占め、その他はグルジアに帰省する人。

世界各国からの旅人も多かったな。

しかも、日本人が私の他に3人もいた。

9月上旬。

まだまだ暑くて、これから2泊3日飲んだくれる気満々の気性の荒いトラック野郎たちが
フェリーのデッキでタムロってる。

タンクトップに胸毛率がかなり多めの、むっさい光景だったな。



私達のような車持ち込み外国人の中に、息子を連れてグルジアへ渡るという
ドイツ人のおじさんがいた。

私達は彼らと仲良くなり、船旅中は一緒に過ごすことが多かった。

後々このグルジア旅のお話しに再び登場するこのおじさんは、 とにかく凄まじい
ミッションのためグルジアと現在居住しているモルドバを行き来している。

今回の旅、もしこのおじさんに出会って居なかったら、そこまで面白い旅には
なって居なかったと思う。

それくらい、彼に会ったことで、旅の世界がグッと広まった。

あともう一人。

イギリスに住んでいて、車で帰省しにきているというグルジア人の男性にも
この船で出会った。


後に彼の故郷の村を訪ねることになったんだけど、これもまた面白い体験ができた。




食事は、次の日からは規則正しく時間通りにアナウンスされた。

2グループ交代制で、50人入ったらパンパンになる食堂にフルで詰め込まれる。

制限時間は30分。

トラックドライバーのおじさんたちは、10分もしたら食事を終え席を立ち、
食堂の9割は瞬く間に空席だらけの空間になる。

別に楽しむような内容の食事ではないけど、それなりにバランス良く、サラダは
いつも別の皿に盛りつけてあるし、スープからデザートまで付いているときだってある。

なのに、10分。
軍人並みの早喰い。

おしゃべりしながらちんたら食べてる 私達を横目に、空いた皿を次々に片づけてゆく
給仕係の人達。

早く食ってくれ的な空気が、残り時間10分ぐらいで漂いしたところで、
もしかしたら私達、食べるのが遅いのかも、あれ、迷惑かけてるのかも、なんて
錯覚に陥りそうになるけど、いやいやいや。

あのおじさんたちが、10分で食事を流し込んでるだけの話だから。

気を取りなおして、残りの10分。

食後のお茶をのんびりと楽しむのは、私達を含めポツポツと残っている
旅行者テーブル のみだった。

おじさんたちはというと、食後真っ先にラウンジやデッキに向かい、
もちろん酒を飲み始めるのであった。



船の旅は、5日分の貯まった洗濯物を洗っては干してを繰り返しているうちに
終わってしまった感がある。

心配していた船酔いも全くなく、本当に快適な3日間だった。

洗濯して、ご飯食べて、ゴロゴロして、たまにデッキに出てその辺の旅人と
おしゃべりしたりして、 気付いたら目的地バトゥミに到着。

そういえば、航海中イルカの群れにも何度か遭遇し、ちびっ子は大喜びだった。


はーーーーーーーーーーるばる来たぜ、グルジアー!!
 グルジアの入国手続きは、ウクライナのそれと比べ物にならないぐらい簡潔だった。

しかも子連れだと最優先で先頭まで通してくれるので、並ぶ時間も省け
効率も良くサクッと終わった。

下船も順番待ちのため時間はかかったけど、訳の分からない待ち時間ではなかった為
苦ではなかった。

晴れてグルジア、バトゥミに上陸。

まずは腹ごしらえと、私達は連れのドイツ人親子と共にレストランに向かったので
あった。

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