2018/11/27

2018年グルジア車中泊の旅_②黒海までの道のり


自宅からフェリーが出る黒海沿いの街オデッサまでは、ポーランドを経て約1800km。



3日でオデッサまで行きたかったので、1日600km走れば余裕で着く距離。

単純計算、時速100キロで走って6時間。(ランクル重いので高速でもMAX100キロ走行です)
さらに子供休憩をしっかり挟みたいので、大体1日8時間は移動に費やすことになる、

なーんて思っていたら大間違い。

ウクライナに入り、その道路状況を見て愕然とした。



隣国ポーランドはEU加盟国で、ドイツとの国境で審査もなければ、高速道路も
ドイツと同じクオリティーのものがポーランドの逆の国境まで続いている。

パーキングエリアなんかは、ドイツと比べものにならないくらい快適そのものだった。


バーベキューでもすればと言っているようなレストエリア。思わずハンモック。





なので、自宅を出発して次の日にはウクライナの国境までやって来れた。

だけども、

この先、ウクライナはEUに加盟してない国。

従って国境が存在し、入国審査云々が待ち構えている。

旧ソ連の入国管理局。

イヤーな予感しかしない。

 で、予想は的中。長蛇の列。

どこでどんな手続きを踏めばいいのか。

それは役人の気分次第なのではないかというくらい、手順が徹底してない。

もしかしたらルールや然るべき手順はあるんだろうけど、そんなこと
懇切丁寧に教えてくれるどころか、どこかに書いてあるわけではない。

 最終的には、後ろに並んでいたウクライナ人のおじさんが、大体のことは教えて
くれた。

だけどそのやり方も、今日通用するか分からないと言っていた。

1つだけ確かなのは、夜の8時から9時の間はシフト交代と夜食休憩の時間で
その間は一切の業務が停止されるそうで。

もし8時までにゲートの中に入れなかったら、1時間放置だよと言われた。

この日はもう暑くて暑くて、夕方でもガンガン照らしてくる夏の日差しに
うな垂れながら、2時間ぐらいは列に並んだ。

そしてなんとか滑り込みで、8時までにはゲートに入ることが出来た。

流れに任せて入国審査を済まし、ウクライナ入り。

結局国境で費やした時間は、3時間程だった。

後でその事を出会ったウクライナ人何人かに説明すると、決まって「それは奇跡だ」
という答えしか返ってこなかった。

それもそのはず。

入国して一目散に目に入ってきた光景、

ウクライナからEUポーランドに入国する人々の列を見れば、一目瞭然だった。

およそ3kmにも及ぶ行列。

帰りは絶対この国境を通らないと胸に誓った。

さて、

ウクライナ入りした途端、ドイツから続いていた高速道路は途絶え、それでも
国境付近だからか 「ちょっと良い国道」レベルのものになった。



それからだんだんと距離を進めてゆくうちに、メインのはずの幹線道路がボコボコの
ジャリジャリの道になっていった。

そんなような道をずーっと走ってゆくため、なかなか距離を伸ばすことができず、
結局ウクライナではその辺で2泊を余儀なくされることになった。

 

夜は頑張って12時ごろまで走り続け、寝床探しは暗闇の中。

1泊目は農道沿いの空き地で就寝。
朝起きて外をみたら、農民のゴミ捨て場の真上だった。

2泊目は墓地のすぐ裏。

見えなくて良かった❤






この国に入り、とにかく目に入る風景は、畑畑畑。まっ平らな土地。

かつてはドイツの穀物倉庫と言われていたぐらい、穀類の生産が盛んな国で
最後海まで抜ける100キロぐらいは、とにかくずーっと畑の中を通る1本道を
走ってきた。

 

そしてその広大に広がる農作地では至るところで野焼きが行われ、夜になると
その燻った煙が霧のように辺りを覆っていた。

今年深刻だったヨーロッパの水不足問題。
畑の状態を見れば、ここウクライナも例外ではなかったことが伺える。

なのに、火を放つとは!

ワイルドすぎるにも程があるよ。

そんな光景を目にして、

いよいよ、旅の情緒が出てきたというか。

どう考えても、ドイツでは車検に通らないボロッボロの車がそこらじゅう走って
いるし、バスや路面電車も70年代ぐらいのもので、ゴミの散らばり様も 凄まじい。

ノーへㇽ、原チャリ2ケツの若者が反対車線を逆走し、放牧から帰って来た牛たちが
堂々と私達の進路を塞ぐ。

国境一つ、しかもEUと非EUの壁はとてつもなくデカい。

物価の安さも、目を疑う程だった。
 
オデッサまで200kmぐらいの所まで来たときに、翌日乗るはずのフェリーが
1日遅れで到着しますと一報が入った。

なので、1日どこかで時間をつぶさなければならなくなった。

そんなことより

それがもっと早く分かってれば、ウクライナの悪路をあんなにガムシャラに
走らなくて良かったし、

もっと言えば、自宅で出発ギリギリまで準備に追われてたあの時間は
なんだったのか。。。


まあ、乗り遅れるよりましだけど。

結局オデッサの海岸で日中は海水浴をしながら、夜はその辺の空き地で二晩車中泊。





そうして家を出発してから5日、ようやくグルジアへ渡るフェリーに乗船できる
朝がやってきた。



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