2019/11/21

2018年グルジア車中泊の旅_㉒旅の終わり


セルゲイの家から1時間程でポーランドとの国境に到着。



国境で半日以上待つことがもはや当たり前だと言うセルゲイは、あらかじめ
映画を何本もタブレットに入れてから、国境越えに臨むらしい。

私達も行きしなに、ウクライナからポーランドに入国する車が1キロ以上
列を成しているのを見ているので、ある程度は覚悟の上、だけどもしかしたら
運よく1時間ぐらいで入れるかも、なんて。

今回はメインの国境より比較的車の往来が少ないと言われる国境を教えてもらい、
淡い期待を胸にいざ出発。

田舎道、農道をひた走り、小さな村を越えた先にその国境はあった。

国境に着いた時点で、私達の前で待ってる車は4、5台。

で、結果。

30分でポーランド入り!!!!

 奇跡だ。

あの5度手間ぐらいかかる意味不明なシステムの入管が、 同じ国の反対側に
あるなんて信じられないぐらい、ここでの手続きは簡単明瞭そのものだった。

しかも、反対側の役人のような威圧感は一切なく、みんなフレンドリーで
スマホで車の写真撮ってる税関の係員までいた。

すばらしいエンディングをありがとう。


ただいまEU。

整然とした高速道路をひた走り、自宅を目指す。

とにかくお腹が空いていたので、どこでもいいやとこの日最初に目に入った
ケバブ屋でお昼ご飯。

グルジア、ウクライナでちゃんとしたレストランで食事する金額の倍払っても、
ファストフードしか食べられないといういつもの日常に、一気に引き込まれた。

特に、肉の味には愕然とした。

隣の国は平均月収3万円ぐらいかもしれないけど、こんな得体の知れない肉は
まず食卓に上がることはないと思うぐらいの代物。

しばらくずーっと、放牧で育った動物の肉を食べていたから、舌が肥えたというのも
あるけど、その差は歴然だった。

これがEUと非EUの壁なんだろうな。


 サイコーに後味の悪い食事の後は、走れる所まで走り、ワルシャワ近郊の
パーキングエリアで1泊する。

翌日はポーランドとドイツの国境からそう遠くない所にある町
ボレスワヴィエツに立ち寄る。

この町は日本でも人気のポーリッシュポタリーの産地で、通り道だったので
ついでに寄ってみた。

 



 

 何年か前に来たこともあるし、色々持っていたりもするので、見るだけよと
立ち寄ったつもりが、やはり色々買ってしまった。

値段は日本の半額ぐらいかな。

そして、工場の近くにあったこんな可愛らしいレストランでお昼ご飯。

やはり日本人は良く来るみたいで、日本語のメニューがあった。



この日は国境の町、ズゴジェレツに住むポーランド人の知り合いの
お家に立ち寄り、一泊させてもらった。

翌日。
国境ギリギリにある大型スーパーで色々買い物をして、3時間ぐらいで
自宅に到着。

およそ2ヶ月に及ぶ放浪の旅が終わったのでした。

 旅が終わり日常生活に戻ると、ありきたりのことにさえ心が弾む。
 
自宅で寝起きすること、ご飯を作って食べる事、部屋の掃除をすること。

日々の何気ないルーティンでさえ、いちいち新鮮で、いちいち嬉しい。

以前は旅から戻ったら、その気分のまま日常生活に突入して旅モードを引きずりつつ
旅の延長線上に暮らす、つまり旅するように暮らしたいなんて、言ってた時も
あった。(なんでそんな事言ってたんだろう?)

しかし、色々旅に出て、特に子連れで旅するようになってからは、旅の延長には
ありふれた日常が待っているからこそ、期間限定でこんな車中泊の放浪旅を
楽しめるんだなと思うようになってきた。
   
旅と日常は別物。

お家が好きだー、日々の暮らしがサイコー。

こう思える事が、実は一番の旅の収獲なのではないかと、最近思うのです。

日々の雑踏でこういう気持ちは段々と薄れてゆくんだけど、そしたら今度は
旅をモチベーションに日々を楽しめばいいのだと。

そう考えるとやはり年に1度は放浪旅、 したいものです。

結局旅ベースで生きてるってことか?


非日常にしばらく身を置くことは、私にとっては色々バランスを取るために
大切なことで、今回のグルジア旅は文明と原始的なものが適度に交わり
とても居心地の良い旅になった。

息子の中では、私達家族の旅の形はこういうものだというのがすでにデフォルトで、
ほぼ毎日移動すること、車で寝起きする事、火をおこして料理する事、川で洗濯する
こと、そのどれもに楽しみを見出して、まったく飽きる様子はなかった。

ただ、普段は毎日幼稚園に行っているので、やはり子供との交流は社交的な性格の
彼には必要で、こんな旅も2ヶ月ぐらいが限度かなと思ったりした。

学校に行き始めたらこんな長期間の旅はできなくなるけど、学校に上がる前に
ちょっと長めの旅に出ようとは思ってる。


ということで、 1年遅れでやっと終わったグルジア旅のキロク。

きっとまた、そう遠くないうちに行くと思うけど、どんな変貌を遂げているのか
楽しみでもあり、心配でもあり。

さらばグルジア、また会おう!!


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