2019/06/11

2018年グルジア車中泊の旅_⑧GORI-恩人探しと洞窟都市


ウシュグリから山を下る数日。






大人二人旅なら、1日で気合を入れて下れるぐらいの山だけど、今は子連れ旅。

山道10時間とか私でも拷問レベルなのに、4歳児が耐えられるはずもなく。



 ゆっくり、休み休み。

川があったら洗濯し、あっという間に一日が過ぎる。



 食事の準備は薪集めから始まる時もあり、そうこうしているうちに日が暮れるし。



 食器洗う為に立ち止まった小川で、用事が済んだからハイ出発と行く訳がなく

気付いたら半日過ぎていたとかよくあって

結局下界に降りるのに3日かかった。


そして、こんなものも発見。

 下界のとある村の庭にそびえ立つスターリン像。

通り過ぎざまに目に入った時は一瞬目を疑ったけど、思わずバックで引き返し
再確認。

例えるならドイツでヒトラーの銅像が民家の庭に建ってるぐらいヤバいやつ。

いけない物を見てしまった感が否めず。



そう、スターリンはグルジア出身で、ここからそう遠くないゴリという街には
スターリンミュージアムなるものまであるのだ。



遡ること9年前、日本からドイツ横断の旅で、私たちはそのミュージアムに
立ち寄るだけの為にグルジアに入国した。

2008年にロシアと戦争になった国、旧ソ連の小国、スターリンの出身国。

そんな貧祖な情報しか持たなかった私たちは、ミュージアムに立ち寄って、
一日でこの国を走り抜けるつもりでいた。

ところが、入国したその日の深夜。
 

寝床探しに苦労して途方に暮れて居たところに手を差し伸べてくれたおじさんがいた。

それが、ゴリに住むミーシャだった。

彼は2008年に起きた南オセチア紛争(グルジアとロシアの戦争)で難民になった人々のキャンプなどを運営する団体のリーダー的な人物。

縁もゆかりもない私達みたいな旅人に、寝床、食事、遠足代、パーティー代、
そして酒酒酒 。

これらを5日間ぶっ通しで無償で提供して下さった、感謝してもしきれない程の
恩人だ。

この人との出会いがあったからこそ、短い間にも物凄ーく濃いグルジアを体験
できたし、もう一度きちんとグルジアを訪問したいと思うきっかけにもなった。

私達が旅を終え、ドイツから何通かメールを送ったのだけど、英語を話さない彼から
返事が来ることはなかった。

そしてそのまま音信不通に。



 目的を持ってやってきた今回のグルジア旅。

ミーシャを突撃訪問するのもまた、楽しみの1つだった。

私達は山を下り、ゴリまで一気に距離を進めミーシャ探しを始めた。

運よく9年前使っていたお手製のナビに、大ざっぱではあるが
走行履歴が残っていて、それを頼りにお世話になった事務所の場所まで行ってみた。

しかしそこには全然違う建物が建っていた。

通り過ぎる人に、ここに建物は無かったか聞いてはみるも
あまり英語が通じず、情報も得られず。

ミーシャが所属していたのは、ワールドビジョンという国際協力NGOの団体で
行政とも関わりがあると思ったので、まずは市役所に行こうということになり、
観光案内所に駆け込んだ。

そして、そこで一応ワールドビジョンの事務所の事を聞いてみると、なんと
偶然にもその職員の方がミーシャを知っていたのだ!

がしかし、ミーシャは2年前に難民支援をするためにフランスへ渡っており
現在不在との事。

会えなくて残念だったけど、まだまだ元気に活躍されてる事が分かっただけでも
良かったな。

またいつか会いに来よう!


スターリンミュージアム前のプリ屋




ものの1時間ぐらいでゴリを去ることになったんだけど、せっかくなので
近くにある洞窟都市遺跡に行ってみる。

こんな近くに、こんな素晴らしいところがあったのに、なぜ9年前来なかったのか。

なぜなら、あの時はゴリで5日間酒に浸され、酒が抜けると手が震える程の
軽度のアル中週間だったからなのだ。

その後1日でも早く禁酒の隣国トルコに抜けるため、逃げるようにグルジアを後に
したのだった。





ウプリスツィ洞窟住居跡。


 ここは紀元前から存在する洞窟都市で、9世紀~13世紀にかけて一番繁栄したそう。

最盛期には5000人もの人が暮らし、当時の住居の後はもちろん、ワインを製造
する場所や、儀式を行う場所なんかも岩に刻まれ残っております。


ちびっ子はこういう所大好き。

これは比較的新しく建てられた教会。


 観光客も多く、尋常じゃないほど日よけ対策をする日本人の団体を久々に見て
ちょっとびっくりしました。

 そしてここでも相変わらず一番目にするのは、中国人観光客です。




 

この日はこの洞窟都市の門外の、だけどまだ遺跡が続いている岩場に隠れて就寝。

野良犬が車下に潜り込んで、勝手に私達の見張りをしてくれていた。

恩人に会えなく残念だったけど、

なかなか見ごたえのある、面白い寄り道になりました。

 続

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