2019/05/30

2018年グルジア車中泊の旅_⑦天空の村ウシュグリその2


ウシュグリの伝説

村の外れの丘にぽつりとそびえ立つ、ラマリア教会。





この素朴な石造りの教会の下に、グルジアの黄金時代を築き上げたタマラ女王が
眠っている、とされている。

そんな偉大なる人物がなぜ、こんな土地に眠っているのかについては諸説あり。

伝説では女王が臨終の際に、自分の亡骸が敵に見つからないように7つの
棺を作らせて国の各地に埋めよと命じ、一つだけ本物の亡骸が入った棺が
この教会に葬られたとされていて、今でもそれを信じている人もいるらしい。

この女王は死後グルジアでは聖人の扱いで、教会のフレスコ画にも書かれているし
現在流通している50ラリ紙幣にも肖像が使用されている。



教会の中はというと、外観と同じくひっそりと、だけれどもとても厳かな空気が
流れ、思わず大きく深呼吸。







天井のフレスコ画の経年劣化が、この小さな教会の歴史を静かに物語っていた。

芸術や建築物に疎い私は、海外に来ても余程の前知識がない限り美術館や歴史的
建造物などに興味が向かうことはほとんどない。

しかし、寺院や教会だけは、片っ端から入ってみたくなるぐらい好き。

グルジア正教の教会は、新旧含めて私の中ではダントツで一位の座を占めて居て
それを上回るものにまだ出会ったことがない。

少年はキリスト様に手を合わせる。南無ーーー


教会を出てしばしお散歩タイム。

また足元ドロドロの集落の、行ってない路地を攻めるという地味ーな散歩。

このドロドロの何が不愉快なのか、この時分かった。

豚なんです。豚。

豚の糞って雑食だから、くっさいし汚いのです。

草食の馬や牛や羊のなんかは、見た目はあれですが草が消化されて出てきている
だけなので、私的には溶けた草、泥とか土と同じなんです。

これは幾千万回の思考のトレーニング の末(思考麻痺とも言う)こういう感覚に
至った わけですが、なんなら乾いた馬の糞とか、素手で扱えるぐらいだし、
踏んで歩いてしまっても、騒ぐほどのもんじゃない。

そう、あれは、うんこなんかじゃない。

 


だけどここのグチャグチャは豚のが入ってるから、どうしてもうんこ踏んで歩いてる
感が拭えなくて、不愉快だったんだと。
 

どうでも良いことを思いだしてしまったうんこうんこ言ってすみませんーーー。

おまいら、可愛いけどくっせーんだよ!!



あ、さて。

この日の寝床を探している途中、こんな可愛らしい看板を発見。

英語で書かれているし、なによりも家庭料理も味わえる

家族経営のアットホームなお宿でWi-Fiも完備なんて、

言う事ないじゃないか!

ということで、さっそく向かってみる事に。




建物にあったドアを叩くと、おばあちゃんが出てきて

看板からは、英語喋れるグルジア人ファミリーが出てくるのかと思いきや
おばあちゃんは、ロシア語、グルジア語しか喋れない方だった。

ちょっとコミュニケーションに手こずりながらも、筆談でなんとか交渉し
今夜泊めてもらうことになった。

息子はこのおばあちゃんのことを何故だか大変気に入ったらしく、

「バブシュカ、バブシュカ」(ロシア語でおばあちゃんの意)と言っては

後を追いまわしていた。

 


 ここのゲストハウスはあの「復讐の塔」を模倣した建物がそのまま宿泊施設に
なっており、塔の最上階に泊まることもできます。

 


運よく空いていたので、 その最上階の部屋に泊まったんだけど
まず、床が傾いていて、ベットのマットレスが何度もズレ落ちそうになったり
天井裏をカサカサ駆け回り、なんかガリガリ食べてるネズミの音が常に聞こえ
いつどこから落ちてくるのかと思うと、眠ることもできませんでした。




なのでこの部屋に泊まることはおススメしませんが、他の部屋は問題もなく
ご飯も美味しく、じいちゃんばあちゃん優しく、ボビーという名の犬もイカつい
けど、とてもキュート。

Wi-Fiは?と聞いた時、Wi-fiという言葉自体が通じなかったし、分かってなかった。
看板に堂々と書いてあったのに、盛ったな!

まあ、こういう所で細かい事は気にしてたら、旅の楽しみが半減するので
見て見ぬふりして過ごすことも、よくあります。

最後はみんなで写真撮って、お土産たくさんもらって宿を後にしました。


宿のすぐ後ろはこんな光景


前日からトラブってるランクルは、坂道発進用に丘の上に停めておきました。

マーがちょちょいと何やら整備し、無事にエンジンもかかり、いざ出発!




ウシュグリ滞在もたった1日だったけど、ここは雰囲気と秘境感抜群で
グルジア旅には欠かせないエリアだと思います。


できればこの虹を、アンテナ無しで捉えたかったな。







ド秘境にも文明の波は着実に押し寄せてきておりました。

 続

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