2016/11/01

ニッポン車中泊の旅_紀伊半島から四国へ

紀伊半島から四国入り

とれとれ市場でお腹いっぱいになった後、このままフェリーが四国は出る港まで行ってしまおう
ということになった。

本当は和歌山市から大阪・神戸を経て明石海峡大橋を渡り、淡路島から四国入りという
ルートも良かったんだけど、カーナビでフェリールートとの運賃・時間の比較をしたら
フェリーで行った方が早く着き、運賃も高速使うよりもちょっと高いぐらいだった。

フェリー代 車1台と大人2人で11600円也。

この旅で唯一誤算だったのが、レンタカーが4ナンバーの商用車だったということ。
中型のバンでも4ナンバーになったとたん、高速や橋を渡る運賃が上がってしまうのだ。
それに深夜割引などの適用範囲も少なく、お得感があんまりなかった。

ということで、フェリーで一気に四国入りを決めた私たちは、南紀白浜から和歌山市の港までの
一般道をひたすら走り続け、着いたのは午前1時ごろだったかな。

始発の船は6時ごろから出るらしく、それまで待機することに。

船着き場近くの空き地にて車中泊。

近くにあった公衆便所が末恐ろしくて仕方なかった。

今までいろんな国を旅してきて、墓地の駐車場で寝泊まりしたり、山奥の真っ暗なトイレに
懐中電灯を持って行ったり、そういうことがけっこうへっちゃらになったんだけど、日本の夜の
公衆便所だけはどうしても入れない。

3人ぐらい連れがいれば別だけど、いろんな怖い話を瞬時に思い返したりしてしまって、
あんなとこ入るぐらいなら漏らした方がましだとか、未だに思ってしまうのだ。

そしてその話をマーに話したら、大笑いしていた。

それはさておき、朝の6時。

フェリーの切符を買いに出かけると、そこにはもう沢山の人が集まっていた。

四国にお遍路巡りをしに行く白装束のおばちゃん達や、中国人のツアーバスやら。

出港30分前には車をフェリーに乗り入れ客室に向かうと、もう陣取り合戦が始まっていて
壁際や角という角では、多分この船の常連であろうトラックドライバー達が、完全に寝に入って
いた。

これまでいろんな国を船で渡ったり移動したことはあるけど、日本のこういう客船に乗るのは初めてだった。
もちろん、他のどの国の船よりも快適だった。

船にもそれぞれお国柄が現れるというか、私が乗った船は半分が座敷になっていて、靴も
ちゃんと脱ぐところがあり、ゴロゴロ寝そべったりできた。
売店、自動販売機、ネットができるスペースがあるのはもちろん、授乳室、トラックドライバー
専用の仮眠室、はたまたスロット台まで完備していた。



たった2時間移動するぐらいの短距離客船でこのフル装備。

長距離客船なんて言ったら、もっともっといろんな物があって快適なんだろうな。

船の中ではおばちゃん達が朝からハイテンションでおしゃべりに花を咲かせていた。
その間を縫うようにちょこまかウロウロしていたくり坊君は、大阪のおばちゃんの「あめちゃん」
ばりに、和歌山からのおばちゃん達からはミカンをもらっていて、船を降りるころには、
色んな種類のミカンでビニール袋がいっぱいになっていた。




そうしていよいよ徳島に到着し、念願の四国入り。

徳島市を抜けて向かった先は神山町。

なんの変哲もない山里の小さな町なんだけど、近年都会からの移住してくる若者が多いことや
IT関連企業のサテライトオフィスが相次いで進出している。

私自身ドイツの田舎町に移住してからというもの、過疎で退廃している町でいかに楽しく生きて
ゆけるかという、自分の課題と重ね合わせるように、町おこしや町づくりに関心が向かうように
なるまで、そう時間はかからなかった。

そうゆうこともあり、こういったテーマの本や記事を読むことも多く、この町のことはドキュメンタリー番組で見たことがあり、いつか行ってみたいなーと思っていたところだった。



「アーティスト イン レジデンス」という、国内外から芸術家を招致する活動も行われていて
この山里の環境に魅せられて海外からの移住者もちらほらいるんだとか。

減る一方だった人口も回復してきていて、移住希望者も後をたたないらしい。

興味深いのが、ただただここに移住したい人達を受け入れるのではなく、移住支援をしている
NPO団体が、こんな人に住んでほしいという条件を予め提示しておいて、それにそぐう人達が
優先的に受け入れられているということ。

移住者を選んでいるのだ。

例えば、ここで見込める収入とか、家族連れで子供は何人とか、将来的に子供を作る予定で
あるかどうかとか、今だけの活性化活動ではなくて、数十年後の希望の人口から逆算して
今の移住者を募っているとのことだった。

そうなると必然的に現時点での年齢、家族構成などの条件が限定されてゆくのだ。

これはとても面白い取り組みだと私は思うんだけど。

前置きが長くなったけど、早速町を探索。

確かに普通なら年配の方しかいないような集落だけど、古い古民家などに今どきの
若者が出入りしてる姿もちらほら見れた。

そしてそういう人達は、変な言い方かもしれないけど「他所から来たんだろうな」というのが
一目でわかる。

地元の人達と、こういう移住者との関係もまた興味深いところである。


 もう少し見て回りたかったけど、こんな時に限ってくり坊君が珍しく激しくぐずり出し、どうにも
こうにもならなかったので、早々にこの町を引き上げる。





 地元のおじいちゃんおばあちゃん含め、みんな笑顔で挨拶してくれる姿がとても印象的だった
そして、道の駅の販売物が大充実だった神山町。


まあ、また四国には絶対来ると思うので、その際にはもう一度ゆっくり立ち寄りたいと思う。

そして向かうは、秘境も秘境、祖谷溪谷へ。

続。

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