2013/12/04

モフリス家、自給自足の一家

スーパーの前で偶然出会った、ドイツ語が話せるトルコ人、モフリス。
誘われるがまま彼の家にお邪魔することになった私達は、のどかな山里の村に到着。

切り株に腰をかけながらお茶を飲んで、家族を紹介される。

同居しているのは彼の家族(嫁、娘、息子と赤ちゃん)と両親、そして、妹と弟という9人の大家族。

お父さんも30年ぐらい前にドイツで働いていたことがあり、カタコトながら多少のドイツ語を話す。
娘の旦那も現在ドイツで働いていると言っていた。

モフリスはドイツで肉体労度を長いことして、その後はピザ屋で調理人として働いていた。

けっこうお金も稼いだらしく、彼らが住んでる家もこの辺では一際目立つ大きくてきれいな家だった。

トルコに帰ってきてからは、自給自足の父親と共に放牧や小麦の生産で生計を立てている。

モフリスがマークスを連れて放牧している牛を連れ戻しに出かけたので、 私はさっきから給仕に
バタバタとしている女性軍の様子を伺いに、家の中へ入って台所へと向かった。

そこにはこの家の女性が3人集まって料理をしていた。

ライ麦のような荒い粉を水でこねて、親指の先ぐらいに小さい団子をひとつずつ作っている。

この作業だけで、2時間近くやっているというから驚き。

モフリスの妹は少しだけドイツ語が話せる。

これは少しばかり悲しい話で、ドイツで働いている彼女の夫はいずれは彼女をドイツに呼び寄せて
一緒に生活するから、その日が来るのを心待ちにしてトルコで2年間ドイツ語を勉強した。

しかし、彼の愛は冷めてしまったらしく、彼女がドイツに行く事もなくなってしまった。

「私にはなんにもない。ここにいても毎日毎日同じ日々で、男たちの給仕をして
お金を稼ぐこともできず、そうやって一生を過ごすんだわ・・・」

暗いなーー。。。。

ストレスも相当溜まっているのだろうか。
初対面でいきなりこんな話をいろいろ聞かされたけど、なんと言っていいのかわからなかった。


さて、待ちに待った夕食の時間。

トルコの典型的な夕食の風景。




 この家では、男女食べる場所が別だった。
私はゲストなので例外だったけど、トルコにしては珍しいんじゃないかな?

この日の夕食で自給してないものといえば、多分煮込み料理のトマトソースぐらいで
あとは全部自家製だ。

トルコでは欠かせないアイラン(ヨーグルトドリンク)も、全部お手製。

BOSCH製の立派な冷蔵庫を見せてもらったんだけど、中身は全部乳製品だった。

牛から絞った乳で作ったヨーグルト、バター、チーズ以外はほとんど何もない。
買ったものがないのだ。

べつにこれは珍しいことではなく、田舎の方に来ればよく見られる光景だそうだ。

3年前にお世話になった地中海沿いのトルコ人一家も、その近所もこんなような
生活をしていた。

経済成長が目覚しく、近代化が続々と進むトルコにも、まだまだこういった昔ながらの
生活を普通にしている人たちがたくさんいる。

だけど、仕方が無いから自給自足をしているわけではなくて、そうやってこれまでも生きてきて、
きっとこれからもそれが続いてゆくだけのことなんだとおもう。

そしてこの家族、お魚も近所の川で調達します。

翌日、天気も良かったので子供たちと一緒に魚を獲りに行った。

おじいさんが運転するトラックの荷台に乗って、ガタガタの山道を走り川へと向かう。

そしてこの日の夜ご飯になる10人分もの魚を、ものの1時間もかけずで釣り上げて終了。

その魚釣りとはこちら。




石の下に小魚が無数にいて、そこに網を投げて下から煽って網に引っ掛けるというもの。
 1度に15cmほどの小魚が30匹ぐらい、面白いほど取れる。

 網から魚を外す時は、1匹ずつおなかを押して卵があるか確認。
卵があったら押し出して、川に戻す作業もしていた。

 この投網を10回ぐらい繰り返して、10キロぐらいになったところで終了。




さてこの魚、どんなふうにして、どうやって食べるのでしょうか?


続きは次回。

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