2009/09/05
The last day of kazakhstan
アルマトゥに行く途中、たまたま立ち寄ったアラ湖という湖は
意外や意外、バイカル湖に次ぐ楽園スポットだった。
地図に載っているけど、行くまでの道が載ってない。
道らしき道も見つけられなかったので、強行突破。
湖を目指して草むらを掻き分けて進んで行った先にあったのは
エメラルドグリーンの美しい湖。
人が行き来している形跡があまりなく、乾燥した牛やら馬やらの
糞が所々に転がってるだけ。
結局3泊もしてしまったけど、一人にも会わなかった。
完全プライベートビーチ。
バイカル湖にいた時期と違って今は夏なので、
泳げたりするのがうれしい。
しかもこの湖、あったかくて超軟水で肌にもいいらしく皮膚病の
治療に訪れる人もたくさんいるらしい。
裸人間のマーカスは、終始全裸で過ごすつもりでいたらしいけど
私がそれを咎めると、「僕の自由を奪わないでくれ」と最初はご飯
食べるのも、本を読むのも、お湯を沸かすのも全て全裸でこなして
いたけど、さらに私が咎めると最後は寂しそうにパンツだけ穿いた。
なんだか自分がすごくいやな奴に感じた。
でもいやなものは、いやだ。
1日中全裸の男にうろちょろされるのなんて。
彼はそういうのが許される環境で育ったのかもしれないけど、私は違う。
でもここはやはり、彼の文化を尊重するべきなのか。
かといって、また脱いでいいよと言うのもバカらしくて、そのまま気まずい
空気が流れてしまった。
パンツの話になっちゃった・・・
開放的だと言いたかっただけです。
とにかくこの湖では、本を読んで泳ぎに行って、ギターを練習して
泳ぎに行って、、、夕日が沈む時間にご飯を食べて月が昇り始めたら
寝るという日々だった。
久々にのんびりしたなぁ。
そして再びアルマトゥに向けて移動を始める。
何度も山を越え峠を超えて街にだんだん近づくにつれ、道端に
りんごの木が沢山あることに気づいた。
車から出るとりんごの匂いが香るぐらい、どこもかしこもりんごの木。
アルマトゥとはなるほど、「りんごの里」という意味らしい。
バケツいっぱいのりんごを並べて売るおばちゃんや、あとはスイカやメロンを
トラックに山積みして売るおじちゃん達をのんびり眺めながらアルマトゥ市内に入っていくと、
そこはまさに別世界。
毎度の事ながら、大きな街にくると人や車や店の多さに吐き気がするぐらい
いやな気分になる。
都会なのにピカピカに磨かれたオフロード車が溢れ返り、何をそんなに急いで
いるのか、車一台に道を譲る3秒ぐらいの時間も待てない狂ったドライバーが
我が物顔で狭い道を運転する。
クラクションが響きわたる。
街に入って、たった40分の間で正面衝突してグチャグチャになった車を3度も見た。
ベンツ対ベンツ、ベンツ対BMW、ベンツ対トヨタ。
アルマトゥに限らずだけど、カザフスタンでは右ハンドルの車の輸入に規制があり、
日本車が蔓延るロシアと違い、この国では左ハンドルの高級車が目立つ。
走ってる車の半分はベンツ、アウディなんじゃないかな。
中古車が主ですが。
いい車乗って、いい服着てればれば偉いと思ってる本人も、
それを偉い奴と認める人間が沢山いる社会の有り様はどこの国でも同じだな。
特に都会と呼ばれるところ。
ステイタス、金、えぐいな。
遅れをとり輪から外れるんじゃないかという恐怖、恐怖を隠すための欲。
自己顕示欲。
自分を自分以上のものに見せようとする人間が中心の社会。
その社会が作り上げる国っていったいどんな方向に向かってしまうのか?
悪い見本が沢山あるのに、なんでそこを目指すのか。
すばらしい文化、習慣がたくさんある国なのに。。。
アルマトゥの都市開発、建設ラッシュ。
国にお金があるのかな、オイルマネー?
とにかくその建物一つ一つが派手すぎる。
出来上がりは近未来都市みたいになるのかな?
セレブの金もちっぷりも半端じゃない。
そしてその態度も。
かわいそうになる。
もっとさりげなく出来ないものか。
久々にこんなに大きな近代都市を見て、ムショーに腹がたった。
自分の今の生活がとても極端だから、余計に過剰な文明社会にもキャピタリズムにも
嫌気がさすんだろうけど、もとの生活に戻ってもエグいものとは
無縁の人生を送りたい。
カザフスタン、1ヶ月弱の滞在だったけど車でグルーっとまわってみて色んな土地の
色んな生活を見ることが出来た。
ステップの大地で馬400頭と暮らす、カザフスタンカウボーイ。
隣近所が30キロ離れた羊飼いの家族しかいないと言う一家の奥さんは、
人恋しいのかニコニコと寄ってきて無言で手をつながれ、
そのままなーんにもない草原を、一緒に歩いた。
この遊牧民ツアーを勝手に企画してくれた、アルマンとカナット。
ごくごく一般的なカザフ人の彼らには、庶民の生活、家族の風景を見せてもらった。
適度にハイテクで、だけど昔ながらの習慣や暮らしの知恵が今の生活の中に
ちゃんと残っている豊かな暮らし。
自分もそんな暮らしをしてみたい。
山のふもとのユルタに住み、馬乳酒を売って暮らす女たち。
街より物価が2倍も高いけど、今もアルタイ山脈の山間の村に住み続ける人たち。
そして最後に、ここアルマティで出会った家族。
街の野良電波でインターネットをしていると、おじいさんが
車の窓を叩いてきて、目の前に住んでるからお茶でも飲んで行きなさいと
お誘いを受ける。
そのままお家にお邪魔すると、建物の外観とは全くちがうピカピカのデザイナールーム
みたいな部屋だった。
73歳のおじいさんと、60歳の奥さん。
息子夫婦に子供2人と、嫁の母親までもが暮らす一家だった。
家の中は日本の電化製品で溢れかえり、全部の部屋の壁に液晶テレビが
設置され、プロジェクターやカラオケ設備があって、食事の最後には
モーツアルトの音楽を4つのスピーカーで大音量で聞くのが習慣だと言っていた。
そのまま夕食までご馳走になったんだけど、準備をしている最中にお嫁さんが
帰ってきた。
私は愛想よく挨拶をしたのだけれど、彼女はサングラスを外すこともなく、
どうもと一言だけ言われ別室に行ったきり出てくることはなかった。
その後帰ってきた子供には、素通りされた。
食卓にはピカピカに磨かれたワイン用、ブランデー用、水用のグラスがそれぞれに3つずつ
用意された。
青いテーブルクロス。銀のナイフに赤いナプキン。
きっと昔は、羊の頭を丸ごと茹でたりする料理で客をもてなしていたんだろうな。
いつからそれをしなくなって、いつから今みたいな生活がいいと思うように
なったんだろう。
都会のど真ん中にすむ、ハイソなファミリー。
挨拶もろくに出来ない母親と子供。
おじいさんと奥さんのもてなしは、とても有難かった。
帰りに食べ物をどっさり持たせてくれた。
だけど、やっぱ大草原に住む遊牧民の家族と大きい丸いテーブルを囲んで
デカイさらに盛られた料理をみんなで分け合って食べる食事のほうが私は好きだな。
そんな感じで、行った所とかより人との出会いがとても印象的だったカザフスタン。
こういう出会いを通して、色んな考えやへんてこなルールみたいなのが
スパッとなくなったり、またある部分での自分の信念がより強く信じられるものになったりと、色んな化学反応が自分の中で起きていてます。
ほんとに、いい旅だなぁ。。。と、しみじみ。
明日は運がよければ3カ国目、キルギスタンに入国します。
ビシュケクという街に着いて、また電波を探してできたら写真をアップします!
最近天気が悪いのがちょっと残念。そろそろ冬が始まるそうです。
たしかに寒くなってきた。
ダスヴィダーニャ!(さようなら)
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