2015/08/28

東欧旅行記_ポーランド2

グダンスクまで向かう海沿いの数日間。

キャンプサイトを避けた旅となると、またいつものようにその辺で車中泊ということになる。

今までのようなお気軽ランクル二人旅は、どこかの山とか川とか湖地帯にグングン入って行って
人気のない静かなところで、気に入れば数日滞在することも珍しくなかった。

だけど今回は、6mという図体だけは異様にデカいけど、異常にノロい年代ものキャンピングカー。

停泊地を探すのは、けっこう苦労した。

行けるところも限られてくるし、へたに奥地へ入って車に何かあるぐらいだったら、その辺の
ガソリンスタンドの駐車場で寝た方がましな時もあった。

キャンピングカーはどんなところに行っても車の中は家の状態なので、どんな場所でも
快適と言えば快適なんだけれども。


そういえばこの海沿いの数日というのは、殆どが雨だったような記憶がある。

雨の海で出会った孤独なドイツ人キャンパーのオジサンは、話し相手がやっと見つかった
嬉しさか、ずーっとずーっと、聞いてないふりをしても、ずーっとベラベラ話していた。

私たちが住む同じ州出身で、デッサウに住む人なんだけど、それはそれは酷い訛りで、聞くに
堪えないドイツ語だった。

と、これまた癖のあるドイツ語をしゃべる私に、言われたくないだろうけど。

なんつー記憶も同時に蘇ってきたり。



ついでに。

ポーランドの海沿いには、どこに行っても無料の仮設の公衆トイレがある。

こういうトイレって大体ものすごく汚いものなんだけど、3日程滞在したとあるビーチは
朝の6時に毎朝新しいトイレをボックスごと入れ替えて、綺麗さっぱり。

しかも驚くことに、トイレットペーパーまでついている。

これって、どこでもトイレ無料の日本ではなんてことないと思うけど、ヨーロッパに住む一市民から
すると、これは驚くべきことなんです。

というのも、ドイツではトイレに行くのもお金がかかるので。

お金払ってる分、清潔で安全なトイレを使用できるけど、そんなピカピカトイレでなくてもいいから
無料の公衆トイレ、ドイツにもたくさん設置してほしいわ。


そういえば、何とかという街にはこんなものまであった。




          

街の真ん中にある広場の横に設置されていた、犬用のトイレ。

犬が用を足す為この場に駆け込むとは思わないけど、糞を処理する袋とゴミ箱が
設置されていた。

そして、犬をつないでおく杭も何本か地中に埋まっていて、これはもしや、

「街に糞を放置するぐらいなら、ここに犬をつないで人間だけで観光しろや」

というメッセージなのかもしれない、とか思ったり。

うん、でも確かに、ポーランドの路上で犬の糞を見た記憶がない。

これはドイツ、見習わなくっちゃね。


さて、約1週間ぶりにキャンプサイトに行こうと決めた私たち。

ちゃんとシャワーも浴びたいし、洗濯もしたい。

そして、何よりもヨーロッパで1番大きい砂丘があるスウォビンスキ国立公園に行きたい。

ということで、ここにアクセスするための最寄りのHalligalliタウン、ウェバにやってきた。

人気スポットなだけに、キャンプサイトの密度が今までになく高く、外側からグルっと眺めた
だけで、もうゲンナリした。

おまけに週末だったため、絶対にドンチャン騒ぎが始まるわけで、寝られそうにもないし
砂丘はあきらめて静かなところに行こうと、この町を10分で退散した。

そして、町を出てしばらくして窓の横を眺めていると、行くはずだった砂丘が遠くのほうに
うっすら浮かんでいるのが見えた。

これはやっぱり、行ってみたい。

1日だけ、あのサディーン缶キャンピングで我慢すればいいことだ。

私たちは来た方向をまた戻り、さっき下見したキャンプサイトへ行った。

そしてシャワー、洗濯をさっさと済ませ、自転車で15キロぐらい森を走り、砂丘へ向かった。













この砂丘は「さまよう砂丘」としてバルト海では有名なところで、毎年何センチかずつ移動
している。

かつて森だったところも、長年かけてじりじりと砂で覆われゆき、その結果何十メートルもあった
はずの木のてっぺんが、今足元と同じところにあったりと、異様な光景が広がっていた。






甚平くり坊@砂丘



空飛ぶ赤いお子



来てよかったな。
来なかったら、絶対後悔してただろうな。

なんか変わり映えしない海沿いの日々から、大分違う風景をみることもできたし
なにしろくり坊が大興奮で、砂の上をハイハイで這いずりまわっていた。

そして、この日ぐらいから一人で立つことも覚え、大喜びのにやけ顔を沢山見せて
くれるようになった。



立ってる!その辺の子供に歩み寄り遊ぶ人(左)


砂丘を後にし、来た道をまた戻る。

往復で30キロ余りサイクリングしていたんだけど、森を突き抜ける1本道がとても気持ち良かった。

心地よく疲れた体にビールが染みわたり、心配していた夜のドンチャン騒ぎに邪魔されることなく
深い眠りに落ち、気付いたら朝になっていた。

2015/08/26

東欧旅行記_ポーランド1


7月31日

旅に出てから4週間弱。

今初めてパソコンを開いたところ。

私たちは現在ポーランドにいて、毎日元気に過ごしています。

今回の旅はチビ付なので、いつものようなワイルドジャーニーとは違い
さらにゆるりと、そしてものすごくのんびりとした毎日。

こんなのんびり旅なのに、いつもなら毎日書いてる旅日記を書くこともなく
1日があっという間に過ぎてゆきます。

というのも、この旅は特別な出会いとか、特に感動することとか、まだまだ
全然ないからだと思う。

書くことが特にないのだ。

まあ、それでも旅の日常を忘れないうちに思い出しながら書いてみよう。

4週間前。

出発間際は毎度のごとくバタバタで。
今回は「2ヶ月で東ヨーロッパの何か国かを周る」ということしか決まっておらず、
今日にしようか明日にしようか、、、で、結局7月に入り1週間経ってからの出発になった。

あの週は35度を超える猛暑続きで、避暑地へ急ぐ感じで出てきたんだけど、
「暑い、暑い、海海海ーーーー」の文字が支配する頭でパッキングをしていたもんで
持ってきた服がペラッペラのものばかり。

実際ポーランド側のバルト海に着くと。。。。サブイ、、、、

失敗したー。

おまけに寒くて海にも入れない。
いや、寒いというか、水温が冷たいだけなんだ。

北の海は冷たく、海水浴日和なんて滅多にないバルト海。

日本の夏の海など想像していた私が間違っていたみたい。
みんな風よけの幕を張って、その中でゴロゴロしてるんだな。

しかしそんな風吹く冷たい海でも、カイトサーファーのマーは大喜び。

私とくり坊は、彼のサーフトリップに付き合ってるのか?と思う程、連日風と波に乗っていたマー。
途中でヤバイと気づいたらしく、あんまりしなくなったけど。

最初の2週間は、バルト海沿いのキャンピング、パーキングを利用しながら、ひたすら海沿いに
距離を進めた。

ポーランドの海のすばらしいところは、どこを通っても森林の向こう側に海が広がっていて
直接海沿いにホテルがたっていたり、アスファルトの道路が走ってるところがない。

森を抜けると海みたいな、ホント絵になる光景が広がっている。

しかし、森の手前、つまり車が行き来する道や宿泊施設が立ち並ぶ方では、この時期特に人で
ごった返していて、歓楽街の賑わいを見せていた。

趣味の悪い土産屋や、酒場、レストランが乱立し、週末ともなればキャンプサイトの中で
朝までクラブミュージックがガンガンかかっている。

知ってたらこんな所泊りに来なかったのに。。。。と思ってるドイツ人キャンパーたちが、
朝になると真っ先にそのクラブ会場から少しでも離れようと、大移動が始まっていた。

マーに言わせると、ポーランド人は国内旅行が大好きな国民で、特にバルト海は大人気の
一大観光地。

同じ国の、端の端っこからも、この海めがけてみんなやってくる。

日本は海に囲まれた国なので、100キロ、200キロも走ればどこに住んでる人でも海に出るから
あまり想像できないかもしれないけど、ドイツでもこの時期のバルト海沿いは、遠方の
車のナンバーを良く見かける。

たとえば、湘南の海に大阪ナンバーの車が列をなしていたり
青森に住んでる人が海水浴したいがために、平塚あたりにわざわざ来たり。

そんな感じ。

ここにしか海はないから、ものすごい密度で人がいるわけです。

海辺の静かなバカンス的な事を少し期待していた私は、この人の多さに連日ノックダウン。

3,4日で大体この辺の様子がわかってきたので、これはもう人がいない穴場を探すしか
ないと思い、なんとなく迷い込んでみた小道の先にあった海水浴客用の駐車場。




先客はもちろんドイツ人キャンパーで、私たちが入ってきて、そのあとも何台か入ってきたのも
ドイツ人キャンパー。

みんな、考えてることが一緒! 笑

そもそも休暇の過ごし方というのが、ドイツ人とポーランド人とでは違いがありすぎる。

この浜辺の駐車場で結局3泊し、ある程度の距離を保って駐車している別のキャンパーたちを
こっそり観察してみたけど、そこのドイツ人達は果てしなくノンビリしていた。

2時間、3時間、椅子に座って空を眺めてボーっとして、ご飯作って食べてボーっとして
浜辺にいってボーっとして、車に戻ってごはん作って、夜は焚火にあたりながらワイン飲んで
おしゃべりして。。。。

とことん日常からかけ離れた日々を満喫しているようでもあり。

そんなような毎日を過ごすことを目的に、年に何十日もある休暇を楽しみに生きているんだろうな。

ポーランド人はどうだろう。

まぁ観光地に集まる人の休暇の過ごし方を見ただけなので、一概には言えないけど
ドイツには少なくとも、こういうケバケバしいアミューズメント尽くめの海というのはナイ。

だけどキャンピングのポーランド人のみなさんは、どんなにうるさかろうが、どんなに人口密度が
高かろうがお構いなしに、その場所に何日も滞在していた。

私たちは2日でギブアップしたけど。

と言うことで、ドイツ国境にまだまだ近いほうのポーランドで出会ったドイツ人たちは
この「Halligalli(ごちゃごちゃガヤガヤ)は、参ったもんだねー」と、皆口を揃えて言っていた。

そして私たちも、なるべく人ごみを避けてまずはポーランド最大の港町グダンスクを目指したの
でした。

2015/08/25

2015年東欧キャンピングカー旅行


7週間の旅を終え、再びドイツへ。

予定では8月いっぱい休暇のつもりが、途中で旅する気力が失せてしまい、少し早目に
切り上げて帰ってきちゃった。

そのいきさつは、追々書くとして。。。

今回の旅、結果から言うと、とてもとても面白みに欠けていた。
長い割に、薄っぺらいと言うか。。。

それはヨーロッパをキャンピングカーで旅をするという時点でわかっていたことだけど、
車一つ、国一つ違うだけでここまで内容が変わってくるものなのかと。



旅の内容はともあれ、この7週間親子3人で本当に濃密な時間を過ごせたことが何よりの
思い出かな。

毎日みんなで同じ時間に起きて、同じ時間にご飯食べて、たくさん遊んで、同じ時間に
眠っていた。

育児休暇という名のもとの旅なので、それが本望と言えばそうなんだけど。


きっと今までしてきた旅というのが、特別すぎたんでしょう。

今回のような、人との出会いがない2か月の旅というのは、どうしようもなく長すぎて
暑さも重なり、正直途中で苦痛になってきていた。

いつもなら日課になっている手書きの旅日記も、せっかくノートを新調したのに1ページも記録が
ない。

そして、そんな時間を淡々と過ごした結果、改めて自分が旅に求めるものというものを
再確認したような気がする。


だけど、道中それはそれで楽しまなきゃもったいない!

ということで、旅というよりは「旅行」という視点に切り替えて、いつもならどうでもいい街観光とか
外食とか結構したなぁ。

そういう旅行的なものというのは、短期間でバスっと思い切り楽しんで散財して、サクッと家に
帰るのが一番。

ダラダラしてたのがいけなかったんだな。

今回の旅日記、あまりストーリー性のない超普通な旅行記になりそうですが、どうぞお付き合い
ください。

まずは、一度だけパソコンを開けて書いてみたけど、途中で眠って、そして今まで放置していた
ものの続きから、書いてみようかな。

続きはまた明日。