2016/09/23

ニッポン車中泊の旅_丸山千枚田


海沿いの旅路を山道に切り替え、程なくして絶好の車中泊スポットを見つけ1晩過ごした後、
丸山千枚田にやってきた。

ここは事前にリサーチ済みで、いつか来てみたいとずーっと思って居た所。

時期的には良くなかったけど、夏に来たもんなら、山の斜面に青々と広がる
1300枚もの水田が一望できるところである。

こんなとこ。画像はお借りしました。




このエリアに入ったとたん、棚田がある風景をよく見かけるようになり、
きっともうすぐあの絶景に会えるのかと思うと、ワクワクしてきた。

 

 

そうしてお目見えした丸山千枚田。

あまりにも人里離れた所にあり、そしてあまりにも見慣れない独特な風景に
ここは日本かと錯覚した。

東南アジアの国で見たことのある風景とか、あとは何故かマチュピチュが脳裏を過ぎる。

日本の原風景。

なんだけど、日本というよりはものすごくアジア的なものを感じた。


丸山千枚田、その昔は2000枚以上の水田がびっしりと山の斜面に張り付いていたそうで。

 今ではその数も激減してしまったけど、こんな所を切り開いて米を作るぐらい、
昔は誰もがみんなお百姓で、米は命の源だったんだろうな。



しばらくぼんやりと眺めているうちに、この風景がなんだかとても非現実的で、
政治的な事柄が行き届かないぐらい末端な集落というかなんというか、 宙にぽっかり浮いている
離れ小島のように思えてきた。

でも確実にここに生きてる人達がいて、お米を作りながら日々の暮らしを営んでいる。
 
こんなところが日本にあって、こういう所にまだ人が住んでいることを、どのくらいの日本人が
知っているのか。

そんなことがとても気になった。

そしてこの写真を友達にラインで送ったら、実家の田舎が恋しいみたいな返事が帰って来て、
なんだ、こんなところはもしかしたら日本にはいくらでもあるのかもしれないと、
また、自分の無知さ加減を思い知るのであった





いつかまた、今度は緑の稲が一面に広がってる時に見に来たいな。



さてさて、記憶をだぐりよせてこの日記を書いてるわけだけど、半年も経ってるので
中々細部まで思いだせず。

この後私たちは、我が家の氏神様でもある熊宮神社の総本宮、熊野本宮大社を訪れ、
いよいよ四国入りするために、和歌山県の海岸まで一気に距離を進めた。

 

           


 



 





奈良県を走り抜け和歌山県に入るまでの道にも、熊野古道の一部が数か所またがっていて、
その古道に付随する景色、川や谷や森などが、とても神々しく見えた。

 







後々調べてみると、この紀伊半島で行きそびれたところが山ほどあって、そんなところに限って、
秘境と呼ばれるところであり、あの秘境の中の更の秘境なんて、また絶対に行かなければと
心に誓ったのだった。

紀伊半島の最後は南紀白浜海岸にある、海辺の温泉「崎の湯」に行ったあと、和歌山の巨大な
魚市場、とれとれ市場にやってきた。


確かその日は土曜日で、ものすごく混雑していた。

  
テーマソングが未だにリフレインしている。とれとれとれとれ、、、♪
      





久々に見る膨大な量の魚や、海産物の加工品、そしてなんといっても日本の魚市場の活気を
肌で感じることが出来て、大満足。

できればごはん茶碗を持って周りたいぐらい、試食の数も豊富で、マグロの解体ショウの直後に
振る舞っていた中落ちは絶品だった。

 
けっこう高いよね、肉よりも高い。






そしてここ和歌山と言えば、紀州の梅干し。
これも試食でこれでもかというくらい食べた。 笑

市場に併設している大食堂でも、魚のメニューが豊富だった。
外にはグリルコーナーも設けていて、買ったものをその場でグリルして食べてる人もいた。

まさにお魚天国。

気持ち的にまだ、関東近郊のお魚に手を付けるのをためらっていた私たちは
紀伊半島に入ってからずーっとお魚を食べてた気がする。

しかも刺身オンリーで。

それはもう、「向こう1年、生魚はいいや」と思うぐらいの頻度でバカ食いしてたな。

ま、1年も経ってないのに、刺身毎日でも食べたいと思ってるけど。。。


2016/09/21

ニッポン車中泊の旅_熊野古道、馬越峠















尾鷲の道の駅で旬のぶりトロ丼を堪能したあとは、これまたくり坊くんの
昼寝もかねて古道歩きに出かける。

馬越峠。

今回はちゃんと登山靴を履いて出かけた。

しばらく行くと美しい石畳の道が現れた。

まさしく熊野古道とはこんなところなんだろうなと、イメージにピッタリの所だった。

この石畳は雨の多いこの尾鷲の地で、山崩れを防いだり、道をちゃんと確保するために
当時の人が苦労して築き上げた道らしい。

軽い斜面が続く森の道を、ゆっくりと歩いてるうちに、坊もすっかり寝に落ちた。

       


途中には夜泣きに霊験あらたかだといわれた「桜地蔵」というのがあった。

この道がおよそ300年以上前からあったのは明らかで、このお地蔵さまにも
多くの人が詣でたらしい。

日本昔話に出てきそうな話だな。

昔も今も変わらず夜泣きに苦しむ赤ちゃんも親もいるわけで、泣いた子を背負って
この石畳を歩いてきたお母さんたちがいたかと思うと、なんだかこっちまで
泣けてきた。

        



そんな想像をしたり、この道を辿った昔の人に思いを馳せて歩く古道というのは、
普通の山歩きとはまた一味違った体験だった。

        



1時間ぐらい登ったところの峠の先には、天狗山という山の頂上を目指す別の道があった。
これがまたけっこう急な登り坂だったんだけど、登って来て大正解。

 

頂上にはビックリするほど大きな一枚岩がズドーンと寝そべっており、尾鷲の港も一望できた。


 


下山するころにはすっかり日も暮れだし、この日は熊野古道センターの駐車場に
停泊。

翌日はそのすぐ近くにある深層海水の温泉で朝風呂。

日本の旅はどこでもお風呂に入れるから素晴らしい。

午前中はこの温泉と畳敷きの休憩所でノンビリ過ごし、お腹がすいてきたので移動。


もう一度道の駅でぶりトロ丼を食べようと思ったけど、昼時で込んでいたのと
あと、鮮魚売り場で新鮮なお刺身が東京では考えられない値段で売っていたのを
思いだし、すかさず買いに行って、駐車場でご飯を炊いて(もちろん車内で)
自作ぶりトロ丼をこしらえる。

定食の半額以下で刺身の量2倍。
そういうところで幸せを噛みしめる超庶民の私たちであった。


尾鷲を出て目指すは丸山千枚田。


途中海沿いを走っていると「世界遺産鬼ヶ城」という看板がお目見えした。
なんだなんだと早速立ち寄ってみることに。

        

          

そこには何千年かかけて浸食されたであろう岩が海岸にザックザクとそびえ立っている
ところだった。

ここの事、あまり覚えてないので割愛。
 

でもまあ、きっと有名な観光地ということで、中国人をわんさか乗せた観光バスが次々と
乗りつけていた。

どこでも愛想を振りまくりのくり坊君は中国人にも大人気で、ついには抱きかかえらたり
して、撮影大会が始まっていた。

その傍らでは、所謂ホストみたいな恰好をした、きっと自分をイケメンだと思っている
青年がセルフィーで鬼ヶ城をバックにカメラ目線でずーっとムービーを撮っていたり。

なかなか面白い光景が印象に残っている。

2016/09/02

ニッポン車中泊の旅_三重県尾鷲

漁港の町、尾鷲にやってきた。

ここに来ようと思ったのは、海沿いを南下して行ってみたい場所があったから。

だけどその場所は私の地図の読み違いで、とっくにもう通り過ぎていたという。

その場所とは今年サミットがあった伊勢志摩。

あのグネグネに入り組んだリアス式海岸や方々に散らばる小島の絶景を一目見たいと
思ったから。

私はてっきり紀伊半島の先っぽにあるもんだとばっかり思ってて。。。

何をどうしてそんなふうに読み違えたのか、未だに謎である。

すっごい近くにいたのに、残念無念。

またいつか絶対に来ようと胸に誓った。



尾鷲は熊野灘に面した小さな町だけど、熊野古道が4つ通っていることからか、観光には
力を入れてるみたいで、観光案内所のパンフレットの多さにびっくりした。

しかもけっこう若い人がこういう観光事業に携わっているのか、パンフレットも可愛くて
小洒落てて見応えがあり、名古屋あたりに住んでいたら、週末にブラっと休暇に来てみたい
そんなところだった。

観光案内所のオジサンから、ここの名産と美味しいお魚が食べれるところを聞きだして
さっそく行ってみることに。

お昼時、道の駅の食堂。

上がってきたばかりのブリの刺身がずらっと並んでいた。

客は好きなものを組み合わせて、オリジナル定食を作るというスタイル。




多忙な時間帯で、レジには長蛇の列ができていた。

白い割烹着を来た女性たちが生き生きと働いていて、なんだかうれしくなった。


 私はここの名物「ぶりトロ丼」を頂いた。

海藻が入った1杯150円だかの味噌汁も、ホントに美味しかった。


 

名物のめはり寿司とさんまのお寿司も。これはまあ普通。

お刺身なんてドイツでは食べないから、マーと2人で唸りながら堪能した。

食事中、隣に座っていたおばちゃんたちと色々話がもりあがり、最後になぜか皆で写真を撮り、
お腹もいっぱい、幸せいっぱいで店を出る。

この辺も関西のくくりなのかな、やっぱりというかなんというか、東京では感じたことがあまりない
人々の人懐っこさとかにグッと来た。

マーが外国人だからなのか、それとも息子があんなにクリクリだからなのか、とにかく
どこに行っても喋りかけられていたな。

たとえばこんなところでも。

ここでは例のギャンブル神社の話をオジサンから聞いたり、他のオバサンからは周辺の
見どころなとを教えてもらった。



それにしてもコインランドリー、すごいね。

家族3人、1週間分の洗濯を1200円で、しかも自動でやってくれる。

ほんの数年前の私たちの旅からは、考えられない進歩。

いや、私たちの進歩ではなく、こんなに進歩してる国を旅するのは初めてということだ。
日本って、どんな小さな町でも、コインランドリーがある率がものすごく高いと思った。

旅の道中、いつもなら洗濯は綺麗な川がや運河があるところに行って、手洗いで1日掛かりの
仕事だったの。

 しかも移動は洗濯物が乾き次第で、身動きが取れない日とかもあるぐらいだったのに。

それがなんということでしょう。

大量の洗濯ものをドカッとでっかい洗濯機に突っ込んで、その間町散策だなんて。

やはり過疎化は深刻。シャッター通り。





 尾鷲の町には、昔ながらの魚問屋が点在しているらしく、そういう所を覗いたり、あとは
地元の人の朝市だとか、そういうのがこの町の散策の楽しみだとパンフレットには書いてあった。

美味しいお魚があって、海も山もあって、こじんまりとしていて、私的にはとても気に行った
町だったな。

そして、なんとっても熊野古道が通っているという点。

もちろん登ってきました。

石畳が美しく、ずーっとイメージしていた熊野古道というのがここにあった気がします。

続きは次回
 

2016/09/01

ニッポン車中泊の旅_熊野古道

海沿いを南下して漁港の町尾鷲に向かう途中。

トイレ休憩で立ち寄ったところが、ちょうど熊野古道、始神峠の入り口だった。

天気のよい日で原っぱに車を止めて、お昼ご飯を作って食べた。


桜さいてないねー

原っぱには大きな桜の木があって、その週末には桜祭りが行われるらしく、町の職員たちが
下見にやって来ていた。

3月の下旬。
西の方はもっと桜が咲いてるかと思ったら、この紀伊半島の地でさえも3分咲きぐらいだった。

桜祭りは桜なしだったんだろうな。

満開の頃を見据えて開催してるんだろうけど、自然が相手ですからね。
いつも人間の思うとおりに行くとは限らず。





腹ごしらえもしっかりして、坊をお昼寝させるのにもちょうど良かったので、熊野古道
歩いてみることにしました。



全部で1時間半ぐらいの初心者コースの始神峠。
去年のポーランドの旅から山歩きはしていなかったので、慣らしの為にも最適なコースだった。





峠のあちこちには、八朔みたいな柑橘系の木が植わっていて、取り放題。

私にはとても口を付けられるものではなかったけど、レモンを丸ごと食べられるマークスに
とっては、天国のような所だったようで。

さすが紀伊半島。


頂上からの眺め。山の下にすぐ海というのも日本ならではだな。

サクッと短時間のトレッキングを終え、日が暮れだす前に寝床探し。

世界遺産の熊野古道とは言っても、入り口やコースもたくさんあって、この始神峠もその中の
一つなんだけど、周辺にはほとんど何もなかった。

ここに熊野古道が通っていなければ、まず見落としてしまう町だけど、私たちはたまたま
運よくここに導かれ、結果この旅でも最も印象深い景色の一つに出会うことができた。


寝床探しでさまよっていたらこんな景色に出会ってしまった。

紀伊の松島とも呼ばれるこの景観。

素晴らしい眺めだった。

タイとかクロアチアでこんな風景をみたことがあったけど、 祖国にこんな景観を望める所が
あるだなんて、知らなかった。

私は日本のことなんて何にも知らないんだと思った。

思えば東京で生まれ育って、あそこで生きてきたけど、いつからか「ここを出なきゃ」って
ずっと思ってて、で、なんで海外に目が向いてしまったのだろうかと思う。

もっと日本のことを良く知っていれば、「ここ」以外の選択肢が日本の中にもあったかも
しれない。

なんて、今となってはどうにもなりそうもないことを、島々の先の先を見渡しながら
ぼんやり考えていたことを思いだした。


さて。

夏にもなればこの辺りは、海水浴でにぎわうんだろうか。

海岸沿いには駐車場があって、この日はそこに1泊することにした。

大きな大きな駐車場を独り占め。

この旅で一番良かった車中泊スポットだった。

夜は満月で、散りばめられた島々が月の光の中で揺れていた。

小さな波の音と、砂が引いてゆく音と。

とても幻想的な夜だった。







翌朝。


天気が良かったので布団を干す


駐車場のすぐ脇にあった神社を覗きに行くと、なんということでしょう!



神社の存在感からは想像できないぐらい大きな大きなた大木が鎮座していた。

これにはマーと2人で大興奮だった。

樹齢1000年以上の榊の木で、周囲は11メートルにも及ぶ。

 私はここを勝手に神聖なパワースポットとして認定することにした!







こういう巡り合わせがあるから、あてずっぽうの旅は面白い。

道を逸れると、旅が俄然面白くなるんだ。

神なる巨木を沢山写真に収めて、ここを後にする。



。。。そして、後で行った町で聞いた話。

コインランドリーで会ったオジサンとこの木の話をしたんだった。
それはそれは大きな大木があって、すごかったんですよって。

「ああ、パチンコの木の所ねぇ」

聞くと、あの大木の裏には杉の木があって、その木の皮を剥いでポケットに忍ばせると
パチンコに勝つというジンクスがあるらしく、通称ギャンブル神社で名が通っているそう。

ああ。。。。私のあの清々しい 気持ちが、なんというか台無し。

目を閉じて木に抱きついちゃったりして。

ギャンブルの神様がいたとは、つゆ知らず。。。