黒海を横目に見ながらようやくバテゥミに到着した。
海沿いで温暖だからなのか、ミカンの木やら竹やぶが沢山あった。
次の国トルコは物価もそこそこ高いと聞いていたので、食材を一通り
買い揃えてからサクッ国境まで行ってトルコ入りをするつもりだったけど、
買い食いしたりブラブラしているうちに日も暮れて雨まで降りだした。
なので、今日は誰かのお家に泊まらせてもらおうということで、街から
少し戻った山の方に向かう。
≪バテゥミのカチャプリ屋に並ぶマーカス。グルジア文字ってタイ語っぽいでしょ≫
山からの海の眺めは最高で「どうせ訪ねるんだったら景色がいいところが
いいよねと」マーカスが図々しい事を言い出し、その言葉どおり海沿いの
ミカン農家を訪ねた。

庭では収穫し終えたミカンを買いつけにきたアルメニア人のおじさんたちが、
計量して車に積んでいる最中だった。
そこにいた1人の女性がこの家の主人で、最初は車だけ停めさせてと
お願いしたんだけど、離れにゲストルームがあるからそこで休んで行きな
さいと部屋に通された。
夜になり食事の準備をしていると、「そんなことする必要ないよ」と途中で
やめさせられて、母屋らしき所に行って夕食をごちそうになった。
おばさんの手作りモツァレラチーズがめちゃめちゃ美味しかった。
家には中学生ぐらいの息子と、85歳になるおばあちゃんが一緒に暮らして
いて、彼らはグルジアに住んでいるけど、3人ともロシア語で会話をしていた。
そして小さな小さなおばあちゃんは2年前に失明してしまったらしく、生きてるのが
辛いとつぶやいていた。
翌日晴れていればみかんの収穫を手伝ってみたかったんだけど、あいにくの
雨で出来なかった。
そしてお別れの際は、みかんやら果物やらお土産を沢山もたせてくれて
最後に、おばあちゃんが宙を見ながら震える手で十字架をきって旅の安全を
祈ってくれた。それがものすごく印象に残る場面だった。
そうしてバテゥミを後にしてグルジアの旅を終え、すぐそこのトルコの国境まで
やってきた。
大きな国なのでそれなりに時間もかかるもんだと覚悟を決めていたんだけど
荷物検査も一切されず、結局1時間ぐらいでトルコに入国することになった。
またまた黒海を横目に走り、最初にたどり着いた街で地図を広げてこれから
どこに行くか話し合ってると、近くにあるミナーレから(イスラム教のモスクの横に
ある大きい塔)祈りの時間を告げる歌が流れてくる。
今朝までいたところと100キロも離れてないけど、またイスラム教の国に来たんだ
なーと不思議な気分になった。
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